クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

ヴァレーズ アメリカ ギーレン(91)

2016.07.11 (Mon)
ヴァレーズギーレン
ギーレン/バーデンバーデン南西ドイツ放送交響楽団(91、INTERCORD)は整理された音響。
ギーレンは言わずと知れた現代音楽の大家。
また、このオケは保養地に本拠を置きながらハンス・ロスバウトによって設立された
現代音楽の精鋭部隊。悪かろうはずがない。

さて、本盤はドビュシーの「遊戯」が同時期録音の併録だ。
勿論、ギーレンの意図。

ヴァレーズはフランスで生まれパリでダンディ・ルーセル・ヴィドールなどに師事し、
1910年代までは後期ロマン派・印象派的作品を書いていた。
しかしアメリカにわたり1920年代からは全く独自の世界に入ってしまう。

その転機は何だったのだろう。

ヴァレーズの内面変化はよくわからない。
しかし1910年代のパリはアヴァンギャルドが吹き荒れた。
「春の祭典」や「遊戯」などこの時代だ。
本盤の「遊戯」を続けて聴くと確かに不連続と思われたヴァレーズが
これらの延長から飛び立ったこと、
また、ドビュッシーも相当アヴァンギャルドだったことを思い知る。
ヴァレーズの飛翔

さて、この「アメリカ」はギーレンによって既に古典として扱われている。
実に整然として音が沢山聞こえる。多くの楽器の中でこの場面はこの楽器を浮かせ
これを鎮めるということがしっかりしている。
ブーレーズの時に聴こえなかったような音も飛び込む。

また、非常にリズムが明快でオケが全体で刻む時もしっかり揃えてくる。
この演奏で聴いていると場面展開が明快で、ある意味分かりやすい。

テンポは速めで、終結の怒涛まで一気に攻める。

録音はバーデンバーデンのハンス・ロスバウト・スタジオでのセッション。
ロスバウトスタジオ
放送局系の音作りで非常にまとまりよく破綻がない。
極度のオンマイクではないがしっかり音は拾っている。
低域の量感は多くないが不足感もない。奇妙な音を強調することはない。
ティンパニなどパーカションも硬質な音で巧い捉え方。

23:16
演奏   A+    録音  92点

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