クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

コープランド アパラチアの春 オーマンディ(69)

2016.06.24 (Fri)
オーマンディコープランド
オーマンディ/フィラデルフィア管弦楽団(69、RCA)はハリのあるサウンド。
フィラデルフィアの強い弦圧と推進力と力感あふれるオケが鳴る。
オーマンディは過度に抒情に陥ることなく明快だ。
但し、この曲に癒しを求めると、アメリカンな音響が邪魔をする。

オーマンディには1954年のコロムビア録音(mono)があるのでこれは再録音。
但し厳密には版が違う。
コロムビア盤は1954年に作曲者自身がオーマンディの求めに応じて
13楽器のための原典版をフルオケ用にオーケストレーションした「全曲版」なのだ。
(↓1954年録音コロムビア盤)
オーマンディアパラチア1955
これはオーマンディの専売特許で、この版は出版されていない。
(後にティルソン・トーマスが1999年にフル・オケ完全版を録音しているが)
したがって、この演奏時間はきびきび速いテンポをとっているにもかかわらず
30分を越えている。LP片面に入りきるぎりぎりの長さだ。
聴いてみると「Simple Gifts」変奏曲以下が拡大されているのだが、
原典版と完全に同じではなくカットがある。
何だかややこしいが、演奏自体はメリハリがあり素晴らしい出来栄えで、
抒情性もあり69年盤より良いと思う。

一方、この再録音ではオーマンディはなんと自分が発注した完全版ではなく
1945年の組曲板を使っている。一体どうしたことなのか。

オーマンディは1959年にコープランドに20分程度の作品の委嘱している。
しかしこれは数度の催促にも関わらず実現しなかった。
本録音の3カ月後にも督促したらしいが、作曲家の返事は
『この件はすでにお断りしたはず』
というツレないもの。
オーマンディとコープランドの関係はバーンスタインとのそれとは違い
やや微妙になっていたのかもしれない。
(↓コープランド自信指揮をし、フィラデルフィアにも客演してる)
コープランド

録音はフィラデルフィアのアカデミー・オブ・ミュージックでのセッション。
この会場でこんな残響したのかと思うが、響きにやや人工的な匂いがあり
エコー付加しているかも。また太鼓の加わるフォルテでは微妙な飽和感あり。

24:55
演奏  A-   録音  86点

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