クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

コープランド アパラチアの春 オルフェウス室内管弦楽団(88)

2016.06.19 (Sun)
オルフェウスアパラチアDG
(↑当初のDG盤 現BRILIANT盤↓)
オルフェウスアパラチアブリリアント
オルフェウス室内管弦楽団(88、DG)は「シンプル」の美学。
1945年のオケ組曲版によりながらも室内楽団を用いて
極めて純度の高い透明な響き。
そしてダンス場面での身軽な躍動。
指揮者を置かないこのオケが到達した一つの究極の世界。

この演奏を聴いて、第7番目の曲「静かに流れるように」における
”Simple Gifts”をもっとも体現しているのはこれだと思った。
原曲はJoseph Brackett ( 1797 - 1882 )によりシェーカー派の聖歌として
作曲された、誰もがよく知るこのメロディ。
simple_gifts_20160618235428b89.png
歌詞は以下のようなもの。

「Tis the gift to be simple,tis the gift to be free,
Tis the gift to come down where we ought to be,
And when we find ourselves in the place just right,
Twill be in the valley of love and delight.

When true simplicity is gain'd,
To bow and to bend we shan't be asham'd,
To turn,turn will be our delight,
Till by turning,turning we come round righ」

訳してみると、このような感じか。

「simpleであることは 神の賜物、
とらわれのないことも 神の賜物、
自分の在るべき場所に行くことができるのも 神の賜物、
そして在るべき場所に居ることに気づくことができれば、
そここそが愛と喜びの渓谷。

真のsimplicityを身に付けられれば、
頭を下げるのも腰を低くするのも気にならない、
変わろう 変わることが我らが喜びとなるであろう、
変わるのだ 変わるのだ 我らが在るべき場所に辿り着くまで。」

ここで、問題となるのが「simple」という言葉。
シェーカー教徒の生活が極めて慎ましく清廉であったことを
考えればきっとそうした生きざまを指すのではないだろうか。

これは別にシェーカー教徒だけではない。
拘りを捨てて、心を解放して生きる、
それができれば安息と喜びを得ることができる、
これは宗教を超えた真理のような気がする。

この凛とした清廉な演奏、終結の祈り
を聴いてそんなことに思いを巡らせた。

録音はニューヨーク州立大学内パフォーミング・
アーツ・センターでのセッション。
鮮明で清らかな音は最高だ。

25:26
演奏   S   録音  95点

コメント

好きな演奏です
安曇野さん、はじめまして。
丁寧な感想が素晴らしく、いつもCD選びの参考にさせていただいてます。

ようやくこの演奏を聴くことができました。
ダンス場面の身軽な躍動、同感です。オーケストラ版だと重たく感じることが多かったのですが、この欠点が見事に解消されているように思えました。
また、個人的には、導入部の透明感のある響きも素晴らしかったと思います。
お気に入りの演奏となりました。

そして、好きな旋律の歌詞を初めて知りました。ありがとうございます。
オルフェウス
中野 恒平様
コンメントありがとうございます。
うれしい内容です。

さて、オルフェウスのこの透明感はどこから来たのか、ふと考えたりします。
指揮者を置かないこの楽団のメソッドがこの曲で最大限に活かされたように感じる名演ですね。
私もそう思います。
これだけすっきりとした演奏を聴かせてくれるのですから、
「ダンバートン・オークス協奏曲」のような新古典主義の音楽も合いそうな気がします。
録音があれば、ぜひ聴いてみたいです。
No title
中野 恒平様
彼らの「ダンバートン・オークス」ありますね(今は廃盤?)。
私は「八重奏曲」などが入った彼らの「ストラヴィンスキー ミニチュアズ」がお気に入りです。スキッとしてます。

管理者のみに表示

トラックバック