クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

コープランド アパラチアの春 ウルフ(90)

2016.06.21 (Tue)
ウォルフ室内楽
ウルフ/セント・ポール室内管弦楽団(90、TELDEC)は1944年原典板。
13人の奏者による録音としては初めてではないか。

演奏は誇張感なく、この曲にふさわしい清潔感があり素晴らしい。
こじんまりしたスケール感のない響きに最初は戸惑う。
が、もともとこちらが本筋の舞台音楽なのだ。
弦のふわっとした優しさが懐かしくなるが、木管などとても綺麗。

ただ、最初にこの27パーツから構成された35分の1944年原典版を
聴いたときは後半が随分間延びした曲と感じた。
その後、この曲を委嘱したマーサ・グレアム(Martha Graham 1894年~1991年)に
よるこの曲のダンスフィルムを観た。
(↓この人は米国の女流舞踏家、振付師であり、モダンダンスの開拓者の一人)
graham_2016061810535802d.jpg
納得が行った。そうだこの曲は舞踏の付随曲だったのだ。
耳だけで聴いていては間延びした部分も映像があると意味がある。
とは言え、映像を観ていると一幕物のバレエ・ダンスは
背景も出演者も踊りも非常に慎ましい。
何せ若いカップルの質素な結婚式の模様を綴っただけのストーリー。
ballet_2016061820254691b.jpg
烈しい決闘も、情熱的なラブシーンもない。ほんとにほのぼの微笑ましい。
市井の幸福を感じさせる。

そんなこともあり、耳だけで接するならば
やはり組曲版の方が音楽としてまとまっている。
冒頭の「非常に緩やかに」は舞台では登場人物の紹介音楽。
しかし、CDだけで聴くならば想像を逞しくして
アパラチアの広大な草原の長閑な風景を展開できる
そんなことを改めて気づかせてくれたCD。

但し、映像を見ているとスクエア・ダンスと音楽が
実によくシンクロしていることにも気づかされるなどやはり面白いので、
この曲が好きな人はyoutubeで観てみるのも手。

録音はミネソタ・セント・ポールのオルドウェイ・ミュージック・シアター。
室内楽に適する音場で、広くも狭くもない。清楚な音で好感が持てる。

34:41
演奏   A+    録音  93点

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