クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

シューベルト 交響曲第2番 マゼール(62)

2016.06.10 (Fri)
マゼール23BPO
マゼール/ベルリンフィル(62、DG)は過剰品質なコワモテ。

このコンビは1959~62にかけてシューベルトの交響曲の
第2番から第8番「未完成」までを録音している。
不思議なことに両端の交響曲は録音していない。
第1番と第9番を録音していればステレオ初というか
録音史初のシューベルト交響曲全集完成だったのではないか?
「グレート」のダサイ繰り返しが天才マゼールをイラつかせたのか?
DGにしてみればベームの録音予定があり同時期の重複を避けたのか?
そもそもなぜDGが29歳の鋭利な若武者にこの名門オケを振らせて
一連のシューベルトを録音をさせようと考えたのかは謎。

閑話休題。

この演奏、筋肉質のオケがいちいちアクセントを強く置いて迫る。
当時の指揮者とオケの特色満開だが、シューベルトが聴いたらたまげるはず。

第1楽章の序奏はやたら遅く、なにかをじっと睨むような気配。
そして主題に入るとテンポは急速化。
獲物を狙っていたライオンが突如捕獲に走る・・・・。
いや18歳のシューベルトの音楽はそうではないはず。
なのにマゼールの演奏を聴いているとそんな光景が眼前に広がる。
疾走するベルリンの高弦は美しいのだが、右から聴こえる
低弦のバリバリ音は筋肉の動きにほかならない。

第2楽章も愛らしいテーマが不気味に聴こえる。
特に男むき出しのコントラバスはやりすぎではないか。
うすら笑みを浮かべている。
maaz2.jpg

第3楽章もザクザクと進む。それにしてもやっぱりベルリンの管は巧い。

終楽章はやはりベルリンのずっしりした弦に魅了される。
テンポはインテンポで煽りはなく堂々。
「ぼーくは泣いちっち」の旋律をここまで真顔で図太くやられると笑うしかない。
マゼールは上から目線でこの不敵なユーモアを敢行したのかも。

録音はベルリン・イエスキリスト教会でのセッション。
ステレオ初期らしく左右の分離が明快。
オンマイクで響きは多くないが伸びはあり引き締まった音が当時のマゼールと合致。

10:12  7:30  3:22  5:50    計  26:54
演奏   A   録音 88点

コメント

No title
やはり第8番は未完成ですね。今は7番が未完成らしいですが。
7番が未完成なら8番がグレートと言うことになります。ややこしいですね(笑)
当時マゼールはベルリンフィルと相性が良かっただけに
常任指揮者になって欲しかったですね。
アバドになったので、正直がっかりしました。
アバドの後任にマゼールがなれば良かったのに(笑)
No title
ヨシ様
マゼールがベルリンのシェフになっていれば確かに歴史が変わったかもしれません。
客演ではどうも優等生的演奏が多かった気がします。

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