クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

ベルワルド 交響曲第3番 チェリビダッケ(67)

2016.05.15 (Sun)
チェリヴィダッケ
チェリビダッケ/スウェーデン放送交響楽団(67、EMI) は耽美と躍動の対比。
この演奏は「Great Conductors of the 20th Century, Vol. 39: Sergiu Celibidache」に
収録されている。有名曲のほかにニールセンの序曲やローゼンべり、ティーセンなどの
珍しい曲が入っている。編者の思いは如何にだが、
晩年のブルックナーなどとは違うチェリの別の姿を映している。

さてこの演奏チェリビダッケ(1912~96)壮年期の記録。
このオケの音楽監督を1965~71年に努めているのでこの作曲家になじんだのだろう。
単なる社交儀礼的演奏でなく実に意欲的でチェリの個性が投影された仕上がり。

第1楽章冒頭からゆっくり靄が開けていくようなロマンティックな風情。
テンポはたっぷりだ(4分の呈示部反復省略)。
過度の溌剌感を抑制しながら歌の部分に着目。
弦が常に弱音器をつけたような音でささやく。

第2楽章はまさにチェリ・ワールド。
アダージョ部分は極めて遅く弱音に美の限りを尽くす。この密やかさは白眉。
スケルッオ部分に入ると通常のテンポの活きのいいアレグロなのだが、
再度アダージョに戻ると恐ろしく遅く耽美。
ベルワルドは交響曲における第2と第3楽章を融合してこの楽章を作り上げたが、
この演奏は2面性を極端なまで強調する。

終楽章は速い。チェリ52歳のこの時点では勢いがある。
前2楽章とは全く違う勢いで猫の目的展開。
しかしここでも緩急の表情の変転は絶妙だし、アダージョ部分を回帰する
場面は実にロマンティック。

埋もれた名曲の魅力をあからさまにしようという情熱を感じる。

録音はストックホルム音楽アカデミーでのライブ録音。
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スウェーデン放送提供の音源。当時のものとしては良好な音。
マス収録で鮮明度は期待できないし低域などはもごもごする面はあるが
ヴァイオリンなど美しいしっとりとした音。十分に聴ける。

8:11  10:19  8:27   計 26:57
演奏   個    録音  85点

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