2016.03.04 (Fri)

ストゥールゴールズ/BBCフィル(2013、CHANDOS)はある意味ロマンティック。
この曲は断片のパッチワークのような音楽だが、
その中にほの暗く香り立つロマンを掬い取ろうとしているように見える。
そして各楽章の対比や表情の変転が相当ダイナミック。
敢えて無機質に淡々とやることも多いが、この指揮者は違う。
第1楽章緩急を交えるが6分から始まる回想でぐっとテンポを落とし
ノスタルジックなムードを際立たせるなど演出巧者。
第2楽章ユモレスクはおどけた音楽だがスコアを見てると超絶的な音楽。
打楽器と菅楽器だけのこの音楽はメロディに合わせて弾くことができないので怖い。
そんなことを感じさせる優秀録音。
第3楽章は一転弦主体。
チェロ、1stヴァイオリン、ヴィオラ、2ndヴァイオリンの順に痛切な歌を奏でる。
ここは極めて熱がこもっている。
後半の不思議なエコーの連続は時間をかける。
第4楽章も意欲的。楽器の明滅が意志的でメリハリ。
最後はニールセンのアッカンベー。

録音はサルフォード・メディアシティUKでのセッション。
低域たっぷり、左右が明快に広がり楽器の位置がわかる。
この曲には豊かすぎるくらい。楽器の音が明快なのはこの曲では大切。
13:45 4:07 6:22 10:49 計 35:03
演奏 A+ 録音 94点