クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

ニールセン 交響曲第5番 ヘルビッヒ(65)

2016.02.18 (Thu)
ヘルビッヒ5
ヘルビッヒ/ベルリン交響楽団(65、ETERNA)は恐ろしいまでに劇的。
このCDを見つけた時に違和感を感じた。
独墺系に強い東側の指揮者がなぜニールセンなのか。
あの爽快なハイドンを振る指揮者とニールセンが結び付かなかった。

そして演奏を聴いて驚いた。
本当にヘルビッヒなのだろうか。渦巻く熱いものがありすぎる。
そういえば、この人はアーベントロートの薫陶を受けている。
あのDNAを受け継いだのか。
いや、それを超えている。
のちに東ドイツを嫌って離れてしまうヘルビッヒのいたたまれない体制への
ストレスをこの曲の演奏を通して発散しているような気さえする。
指揮者30代半ばの激演。
Gunther Herbig
第Ⅰ部からして燃える。まだこの段階では表面は荒れ狂うことないのだが
実にロマンティックな起伏を見せる。
この曲はクールかつ乱暴が定石かと思いきやヘルビッヒは全く違うアプローチ。
後半に入っても弦の重厚とも言える歌がうねる。
ここでのスネア・ドラム(ハンス=ヨアヒム・レイプシュ)は最近聴くのと違うリズムを刻む。
オケの拍子と合わせずアドリブ的に叩くというところは守られているから良い。
しかしここでの主役は大きな波打つオケだ。小太鼓はこの波に呑み込まれる。

第Ⅱ部もぶっとい奔流。
フガートは白眉。テンポを落として低重心で進行。
ここからはクラリネット、割れんばかりのブラス群、痛いほど強打のティンパニが
妙技を聴かせる。なんと言う彫りの深さ。
そして巨大な音響が頂点に達した後弦の静謐な歌が始まる。
恐ろしいばかりの対比。次第に切実な響きが増して怒涛の終結に。
ティンパニが強烈な打ち込みに負けず雄渾に突き進む。

録音場所の記載はないが響きからして東ベルリンのキリスト教会での
セッションだと思う。綺麗な響きがあり最新の鮮度こそないものの問題ない。
叩きつけるフォルティッシモでも音が割れないのが嬉しい。

10:22  9:41  9:40  7:36   計  37:19
演奏   S   録音 88点

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