クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

シベリウス タピオラ アンセルメ(63)

2016.01.22 (Fri)
アンセルメタピオラ
アンセルメ/スイス・ロマンド管弦楽団(63、DECCA)は表情の見えないパントマイム。
スイス人、アンセルメ(1883~1969)のシベリウス録音は
私の知る限り交響曲第2番、第4番とこの「タピオラ」のみ。
ポピュラーな主要管弦楽を総ナメしていたこの指揮者の選曲として非常に不可思議。

演奏を聴いてみると北欧の演奏者とかなり違う音楽作り。
演奏時間の短さは音の隙間を作らないようにどんどん進行させていくから。
表情の彫は深くなくある面バレエ音楽のようにも聴こえる。

世界で有数と言われる日本人のシベリウス受容の背景には
音楽の「希薄さ」や「無」を享受する感性があると思う。
北欧人のそれと似たものだが、アンセルメにとっては範疇外。
音の「間」は合理的な意味がないので次の音で空白を埋めて行く必要がある。
この演奏にはそうした感覚が働いているのではないか。
数学者アンセルメは「0」をどのように捉えていたのだろう。
Ansermet-Ernest.jpg
しかし、それにしてもなぜこの曲をわざわざ選んだのか。謎だ。

録音はジュネーブのヴィクトリア・ホールでのセッション。
本拠地での手慣れた録音。経年による鮮度の低下はやむをえないが、
良くまとまった音。寒さはあまり感じられず、響きも多くない。
フォルティッシモは潰れないが、Dレンジはそこそこそに収まっている。

16:23
演奏    埋     録音   88点

コメント


管理者のみに表示

トラックバック