クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

ハイドン 交響曲第102番 A・フィッシャー(88)

2016.01.12 (Tue)
HaydnMP3.jpg(←ニンバス ブリリアント→)アダムフィッシャー全集
A・フィッシャー/オーストリア・ハンガリー・ハイドン管弦楽団(88、Nimbus)は端正さの中に息づく。
ドラティの全集に続き、初デジタルでハイドンの交響曲全集を完成させたのが
このアダム・フィッシャー盤。
1987年から2001年と14年かけて収録させているので、演奏スタイルにも変化を感じる。
(指揮者の容貌もかなり変わった。プロジェクトスタート前後の指揮者の写真が
ブリリアントの全集のブックレットに掲載されている。)
14-Adam-Fischer.jpg  ⇒ fischer.jpg
この間に古楽器団体の演奏の台頭がありその影響を受けているのか
後半の収録ではきびきび感が増し好ましくなる。
従って最初の頃に録音された後期の交響曲だけで評価してはいけないだろう。

この102番は全集スタート2年目に収録されているので初期のものだ。
ジャケットには従来96番につけられていた「Miracle」という愛称が表記されている。
これはニンバス盤の時から記載されている。
シャンデリアが落下したのは96番ではなく102番だったという史実の修正に基づく
配慮だろうが、曲の内容と無縁なこの標題は省略してもいいように思うのだが・・・。

演奏は豊かな響きを伴った優雅な世界が拡がる。
50人程度の編成のため重くはない。ただ、少しもっさり感があるのは
この全集の初期録音に共通する。全曲26分かかるのは今となっては遅い方。
バーンスタインも26分かけるが、これは楽章による極端なテンポ変動があるためだが、
この盤は平均してたおやか。
従って第2楽章のアダージョなど非常に美しい。
第3楽章はもっとリズムが弾んでもいいように感じる。
しかし、終楽章になると溌剌としている。スコアにないクレシェンドを巧みに
持ちこみ推進力を出す。
最後は爽快感がある。

録音はオーストリア・エイゼンシュタットのエステルハージ宮殿の中の
ハイドンザールでのセッション。ここは誠に美麗で響きも綺麗な長方形のホール。
HaydnZaal.jpg
但し、観客が入っていない時は響きが多くなるのでその処理がテーマになる。
ニンバスのこの録音は残響をそのまま入れた形で収録しているので
楽器が少なくゆっくりした緩徐楽章では無類の美しさなのだが、
速い楽章になると音が重なる不都合が生じる。
そのためか、演奏の方がテンポを落としているのではないかとも思う場面がある。
好みの問題もあるがここはもう少し吸音してほしかった。
その方がせっかくのニュアンスが生きる。
但し、この全集の終盤に近付くに従って残響問題も修正されている。

なお、私の持っているブリリアントの全集では一番最初に録音された
101番と103番(1987年収録)の音像が奥に引っ込んでいてトンネルの奥で
鳴っているように聞こえる。
102番と101番は同じCDに入っているので続けて聴いていると
102番になって突然音場が明快に広がる。明らかにおかしい。

9:00  6:10  6:49  4:42   計 26:41
演奏   A   録音 90点

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