クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

ハイドン 交響曲第102番 ファイ(2012)

2016.01.11 (Mon)
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ファイ/ハイデルベルグ交響楽団(2012、hanssler)は変幻自在。
ハイドンを活き活きと蘇らせてくれる。

指揮者トーマス・ファイと彼が創設したハイデルベルグ・シンフォニカーは
1999年からハイドンの交響曲全集に挑戦中である。
しかしファイが2014年自宅内での事故(脳損傷)で、再起・再開が危ぶまれている。
2016年新年のこのオケのコンサート予定でもファイの名前はまだない。
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ホグウッドもできなかったように、ハイドンの交響曲全集を完成させる
ということは大変なことなのだ。
なお、古楽器群ではダントーネ(2016年完成発売予定)や
アントニーニ(2032年までに完成)が全集を進めている。
無事を祈る気持ちだ。

このコンビで今までに56交響曲22巻を発表した。
いくつかを聴いたが実に溌剌とした素晴らしい演奏だ。
ドラティ、Aフィッシャー、D・R・デイヴィスと3組の全集があるが、
もしファイが完成すれば演奏・録音面で筆頭格の全集になるのは間違いない。
あと、46曲・・・、なんとか頑張ってほしい。

演奏は、金管でピリオド楽器を使う以外は現在の楽器を使っている。
奏法は古楽器奏法を援用。一聴するとピリオド団体の演奏のように聴こえる。
テンポは師匠のアーノンクールと同じ感じ。いつも速いということはない。
しかし、表情の多彩さは今までにないくらい。

第1楽章の主題提示はゆっくりだが反復ではギアチェンジ。
その後も緩急自在。ファイの場合それらが煩わしくならないのがいい。

第2楽章は弦の掛け合い、そしてチェロをはじめとした掠れ感を
伴った弦の音色が何ともいい。

第3楽章メヌエットは面目躍如。躍動感と鮮烈な表情で愉しくなる。
中間部トリオではぐっとテンポを落としセンチメンタルな雰囲気に。

終楽章へはアタッカで入り活き活きウキウキ。軽やかに跳び回る。
対向で弦が左右掛け合うのが強調されており面白い。

録音はハイデルベルク=プファッフェングルント・ゲゼルシャフツハウスでの
セッション。この「文化の家」会場はコンサートホールというより
多目的会議場のように思えるが、響きが素直でこの編成程度の録音には
適している。スッと伸びた透明感ある音が基調だが、
近接するザクザク弦、量感あるティンパニなどもよい。

8:52  5:02  5:08  4:23   計 23:25
演奏   A+    録音  94点

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