クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

ニールセン 交響曲第3番 P・ヤルヴィ(2010)

2015.12.23 (Wed)
P・ヤルヴィ 全集
P・ヤルヴィ/フランクフルト交響楽団(2010、RCA)は弦楽に特色。
父ネーメとトータル時間ばかりか、各楽章のラップタイムがほとんど同じ。
但し、印象は違う。
ブラスを強奏させる男気のある父に対して、
バランス重視で細部のニュアンスにこだわる息子。

第1楽章冒頭の強音はN・ヤルヴィ/エーテボリに比べるとスリム。
巨大な迫力は父に負けるが弦の掛け合いが実によくわかる。
とは言えこの楽章では父のゴッツイ音響が忘れられない。

第2楽章は非常に美しい。空間に浮かぶ管の寂寥感、弦の切々とした歌。
パーヴォの面目躍如。父盤も綺麗なのだが歌がストレート。
バリトンとソプラノのヴォカリーズはまさに広大な空間に拡がる調べ。
弦は控えめに鳴り声は楽器というより人間の声として響く。

第3楽章でも各声部の分離が明瞭。弦楽部の緊迫感は速度変化を伴い効果的。
こうした絶妙な表現を盛り込むのがパーヴォの特色。
一本気で押す父とキャラクターの違いが出る。
再現部のフレーズの表情や間のとり方など実に雄弁。

終楽章は清々しい。同じテーマが繰り返されるこの楽章だが弦の扱いが
実に微にいる。
各フレーズの細部、パートの掛け合い、入念さで単調さを回避している。
色んな発見をしているうちにコーダとなる。終結のティンパニの強連打はいい。

録音はフランクフルト・アルテ・オパー大ホールでのセッション。
昔インバルがこのオケ、この場所でデジタル録音していたマーラーに
比べると鮮明さに格段の差がある。響きは多いが明瞭度は高い。
高域の美しさはあるが、低域成分の量はそれほど強くない。

11:48  9:56  6:25  9:10   計 37:19
演奏  A    録音 93点

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