クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

シベリウス タピオラ カラヤン(64)

2015.12.09 (Wed)
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カラヤン/ベルリンフィル(64、DG)はカラヤン流独自美意識の結晶。

カラヤンはこの曲を53年、64年、76年、84年と録音に残している。
こんなにこの曲を録音したのはあとはベルグルンドくらいか。
好みの曲だったようだが、実演では頻繁に取り上げた5番とは対称的に
一度も取り上げていない。演奏効果が上がらないからか。

DG時代のシベリウス・チクルスLPでは「4番&トゥオネラの白鳥」「5番&タピオラ」
「6番&7番」「ヴァイオリン協奏曲&フィンランディア」というカップリングだったと記憶する。
現在はCDで「6番&7番&タピオラ」というような作曲順に並べた筋の通った
カップリングもあるがこれはカラヤンの意志とは無関係。
カラヤン自身はこの曲をどう位置付けていたのだろう?
5番の後にこれをカップリングさせることを了承したのも不思議だが、
シベリウスの通俗名曲(exフィンランディア)などと一緒の盤にしたりしている。
しかし、このOp.112は生易しい曲ではない。

演奏内容は今聴くとかなり独特。
音の角を丸め軟体動物がゆっくりゆっくり歩を進めるかのごとく。
テンポは遅く20分を超える演奏時間。テヌートの連続でヌメーとしている。
ただでさえ分かりにくい曲だがこのような重く、長く、変化に乏しい演奏では
一層とっつきにくいはず。メリハリを効かせてわかりやすく提供する達人だが、
ここではシベリウスや聴衆よりも自身の美意識に陶酔したような
不思議な音楽を繰り広げる。

録音は西ベルリンのイエス・キリスト教会でのセッション。
ただし67年の6番よりも分離など繊細さで劣る様な気がする。

20:13
演奏   軟    録音 88点

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