クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

シベリウス タピオラ他 カム(2011)

2015.11.30 (Mon)
カムタピオラ
カム/ラハティ交響楽団(2011、BIS)は静謐と孤独。
カムはラハティ響の音楽監督を2011年から14年までの契約でスタートさせ
その記念すべき第1弾がこのCDだった。収録は
・シベリウス:・劇付随音楽『テンペスト』序曲
・劇付随音楽『テンペスト』組曲第1番Op.109
・劇付随音楽『テンペスト』組曲第2番Op.109
・交響詩『吟遊詩人』Op.64
・交響詩『タピオラ』Op.112
非常に渋い曲集だがシベリウス・ファンにとっては堪らない。

カムは、2015年のシベリウス生誕150年をこの指揮者で迎えたいとする楽団の
要望から契約を1年延長した。
そしてラハティ市で今年の9月、記念年のシベリウス音楽祭は行われた。
シベリウスフェスティバル

余波をかってこのコンビの日本でのシベリウス交響曲全曲サイクルが実現した。
カムは今季限りのためこの最高のコンビによるシベリウスは聴き納めである。
私は3日間演奏会に通い至福の時間を味わった。
11月26日 交響曲第1番、2番
  27日 交響曲第3番、ヴァイオリン協奏曲(Vnイーヴォネン)、4番
  29日 交響曲第5番、6番、7番

正直言ってこれ以上のシベリウス体験をするのはもうないのではないかと感じた。
解釈がどうの、技術がどうのという次元ではない。
全く自然な演奏なのに圧倒的な説得力を持つというのはどういうことなのか。

最終日は交響曲史上の最高傑作群を究極の演奏で味わった聴衆が
時が経つのを忘れるように惜しみない拍手を「贈った」。
私もこれで終わりなのかと思うと充足感と寂しさでいっぱいになった。
鳴りやまない拍手で、終演後オケが解散して指揮者が呼び戻されることはあるが、
今回はそれに加えオケ全員が呼び戻されるほど皆別れを惜しんだ。
また、このオケの育ての親で時を同じく来日していたオスモ・ヴァンスカも
駆けつけていた。
(カムとヴァンスカはタイプが違うが本当に素晴らしい指揮者だ)

さてこのCDだが選曲も渋いが演奏もまた夜の深い森の空気と香りのよう。
自然の音がそのまま鳴っている。これは容易に人を寄せ付けない気配でもある。
どの曲も評論は無用。好きな人には宝もの、とだけ記す。

録音はラハティのシベリウス・ホールでのセッション。
響きは少ないながら木質トーンで暖かさをベースに時折冷気感じさせる。
洗練とか美麗というのとは違う。
SACD層での再現は空気感が増えるが、CD層もスッキリとした音。
好みの問題だろう。

タピオラ 17:36
演奏 S    録音 95点

コメント

羨ましいです。
かえすがえすも残念…

こんにちは。私もこの三日間、至福に包まれてました。新宿のホテルから徒歩で通い、これほどの演奏を聴けた幸運は生涯の思い出です。最終日、大好きなアンダンテフェスティーヴォを実演で、しかもこのコンビで聴けるとは思いもよらない幸運でした。三日間行動を共にしたフィンランド国旗は大切に仕舞っておきます
リベラ33様
そうですか。サイクル行かれましたか!!
ホテルに泊まりこんでとは、素晴らしい。
その甲斐あったわけですね。
最終日の演奏が終わった後、私は放心状態になり
近くのカフェでボッーーとしていました(笑)
アンコールの最後は「フィンランディア」!
これは、ラハティでのシベリウス・フェスティバルと
同じだったようです。
カムはその祭典を東京で再現してくれたのですね。
日本のファンと演奏者が一体になったような
このコンサート。忘れ得ぬものとなりました。

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