クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

シベリウス 交響曲第5番 ヴァンスカ(2011)

2015.11.29 (Sun)
ヴァンスカ25ミネソタ
ヴァンスカ/ミネソタ管弦楽団(2011、BIS)は充実の極み。
ヴァンスカに時にみられる特徴的な部分はなく、正攻法で極めて完成度が高い。
旧盤のラハティ響もよかったが新盤は録音が更によくスケールが大きくなった。
また、対向配置を採用しているので、第1ヴァイオリンの相槌をうつ第2バイオリンの
効果がよくわかるのも新たな発見(劇的な掛け合いや対抗することはないが)。

解釈にいじくりはなくヴァンスカらしいスピード感が輝かしさ付与する。
そうした意味ではカムとはまた違うが、カムの方が独自なのだと思う。
カムは「鶴のいる風景」が見えるがヴァンスカはピュアな音楽が聳える。

第1楽章冒頭の空気感に接すると旧盤やカム/ラハティ盤と違うことが分かる。
ホールとオケの差もあり豊饒な音。
アレグロ移行し楽章終結に向かう輝きにも安定感があ。

第2楽章の淀みないテンポ感の中で丁寧な歌。

終楽章の疾走、ラガメンテに入っての高揚言うことない。
弦楽部門の精緻な合奏能力に驚かされるし、解像度の高い録音の恩恵を感じる。
終結は感動だ。

録音はミネアポリス・オーケストラホールでのセッション。
ホールトーンは美しく拡がりがある。SACDの威力もあり空気感がよい。
それはクールではなく少し暖かい。
ヴァンスカのBIS録音もニールセンでは残念だったが
ここでは今聴きうる最高峰の音がある。
思えばミネソタ管弦楽団は大植英二の時にリファレンスレコーディングスの
HDCD技術で最高の録音の数々を残している。
BIS録音陣も同じホールを遣うのでそのベンチマークを越えようとしたに違いない。
MNOrchOrchHallHelgeson460_201511291217547f4.jpg
(↓独自の反響板をもつミネアポリス・ホール)
ミネアポリスホール

13:13  8:35  8:54   計 30:42
演奏  S    録音 97点

コメント

ヴァンスカの実演での発見
2015.12.04の読売日本交響楽団との演奏において
第5番の第2楽章練習番号FのPoco a poco stretto
で途中から、パシンパシンと何かを叩く音がした。
最初は指揮棒で譜面台を叩いているのかと思ったら
コントラバス奏者のうち3人?がスラップ奏法?で
この音を出していた。スコアにはそのような指示はないし
このミネソタ管盤でもそのような音は聞こえない(5分台)。
また、この日は対向配置をとっていなかった。
ヴァンスカもまだ色々チャレンジしているようだ。

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