クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

ニールセン 交響曲第5番 ブロムシュテット(87)

2015.11.15 (Sun)
ブロム45
ブロムシュテット/サンフランシスコ交響楽団(87、DECCA)は突き抜けた演奏。
スウェーデン系アメリカ人のブロムシュテットの米国寄り知性。
デンマーク放響との旧盤は彼の北欧の血を感じさせたのとは大きく違う。
彼はニールセンを「北欧」カテゴリーから外し、純音楽的音響的に勝負してくる。
それに十分耐えうる立派な交響曲であることが見事に立証されている。

第1楽章冒頭ヴィオラのトレモロが音量を一段落としたところへ
木管がテーマを奏しはじめ各楽器にバトンが渡される、
この印象的な冒頭の光景から演奏のスタンスははっきりする。
ともかく明確・明快なのだ。
曖昧さがない分幻想的とは言えない。
続く、ドラムやティンパニの強打も厳しいまでにくっきり。

第2楽章もハリ・押し出しが強い。ここでのドラムのアドリブ乱打も
実に整然としている。巧い。

第2部の四部構成の区分けもきっちりしており場面転換が見事。
一瞬の弛緩なく緊張感を持続し終結へ。
旧盤のような全員が大汗かいて音を出すというよりも、
余裕を持って音の放流をする。巨大な音響伽藍が出現。

この演奏・録音は数あるこの曲の演奏の中でも独特な地位だと感じる。
これをこの曲の代表的演奏というのは気が引けるが、
音響的に突き詰めた完成度はピカ一。

録音はサンフランシコ・デイヴィス・シンフォニー・ホールでのセッション。
非常にクリーンでクリアな音。それでいて低域の量感も十分。
ティンパニのヌケ、弦の強くしなやかな音など素晴らしい。
自然なンホールトーンはスケール感も不足なく呈示。
音の作りは、DECCAらしくメリハリを持って面白く音楽を
聴かせようとするサーヴィス精神を感じる。
(↓サンフランシスコ時代を経て大きく変貌した指揮者)
ブロムシュテット1980年代
10:34  9:22  8:19  7:15   計 35:30
演奏   響A+    録音 94点

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