クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

ニールセン 交響曲第1番 ギルバート(2014)

2015.11.02 (Mon)
ギルバート14
ギルバート/ニューヨークフィル(2014、DACAPO)はシンフォニック。
若書きの習作的扱いでなく、一人前の交響曲として素晴らしい取り組み。
音楽が今までにないくらい多面的で隈どりが明確。
ギクシャクした洗練されない音楽の魅力がいい。押しの強いニールセンがすでにいる。

1865年生まれのニールセンが1892年、20代後半に仕上げた交響曲第一作。
同い年のシベリウスは1899年に遅れて第1交響曲を仕上げているが、
私はニールセンのこの曲の方が好きだ。
シベリウスはクレルヴォ交響曲もそうだが肥大化した間延びやチャイコフスキー的な
粘質が感じられるが、ニールセンは率直な思いが直截に出ているので実に清々しい。
そうした交響曲を真面目にがっちり再現してくれたギルバートに感謝。
そしてこのニューヨークのオケがデンマークの田舎作曲家の素朴な力感を聴かせる。
デンマークのオケではは出せないようなパワフルさは
きっとニールセンが聴いたら喜ぶのではないか。

(↓この曲が書かれたころ彫刻家アン・マリーと知り合い結婚へと進む。
しかしこの結婚が将来の火種になるとはこの時点では知る由もない)
amcn1891.jpg
(Carl Nielsen Societyのwebより)

第1楽章から流すことなくしっかり刻印。流麗ではなく、低重心でどすこい型。
アクセント明快で実に痛快。ここぞという時のブラスものブリブリも良い。

第2楽章もじりじりとした盛り上げが素晴らしい。

第3楽章もニールセンの武骨な優しさがそのまま出る。青春の風がそよぐ。

終楽章はまさに情熱家ニールセン。えいっと叩きつける音楽を剛直に再現。
終結部はテンポを速めガツンと締めてくれる。

録音はエイヴェリーフィッシャーホールでのライブ。
咳などはないが観客がいることはわかる。椅子の軋み音などもセッション録音にない音。
ただ、それは気になる様な事はない。むしろライブ的緊張感が感じられる。
響きは少ないが窮屈ではない。左右の弦楽器は輪郭はっきり。

9:09  7:17  8:04  8:47   計 33:17
演奏  S    録音 93点

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