クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

ヴィヴァルディ 協奏曲集 ピノック(86)

2015.10.26 (Mon)
XATW-00108070.jpg (→5枚組)ピノック5disc
ピノック/イングリッシュ・コンソート(86、ARCHIV)は、
”古楽器の透明な音色による躍動感あふれる、ピノックのヴィヴァルディ”
という発売元のキャッチコピーに偽りはない。
ピリオド楽器を武器に先鋭な切り込みを見せるチームもあるが、
ピノックはそうはならない。いかにも英国的というイメージ。
節度を持って、音は軽量で綾が透けて見える。音は耳をくすぐる。

収録曲は
1. 弦楽と通奏低音のための協奏曲 イ長調 RV.159
2. ヴァイオリン協奏曲ホ長調「恋人」RV.271 
3. ファゴット協奏曲 ホ短調 RV.484 
4. フルート協奏曲 ト長調 RV.436 
5. ヴィオラ・ダモーレとリュートのための協奏曲 ニ短調 RV.540 
6. オーボエとファゴットのための協奏曲 ト長調 RV.545 

弦楽のための協奏曲だけではいかにも単調になるので
色んな独奏楽器をフューチャーした協奏曲集。

冒頭の曲RV159に関しては作家宮城谷昌光氏の名文があるので引用したい。
「なんといってもこの曲は第3楽章がすばらしい。
二つのヴァイオリンがささやきあい、語り合い、時に歌いあうのを、
時々チェロが相槌をうち、たしなめ、微笑むというもので、
貧しくない市民の家庭をふとのぞいたような小さなおどろきとなぐさめがある。」
「人がむつまじく生きていけることへの、神への感謝の心があるのではないか」
そうした小さな幸福感を一番感じさせてくれるのがまさにこの演奏だ。
第1楽章冒頭の純な弦の音を聴くと真面目にやることの大事さを感じる。

他の曲も愛らしく素晴らしい。センスが良い。

録音はロンドン・セント・ジョーンズ・スミス・スクエアでのセッション。
St. Johns, Smith Square
建築家トマス・アーチャーによってデザインされ1728年に教会として建てられ
イギリスのバロック建築のマスター・ピースとわれるところ。
教会らしく響きが美しく拡がる。
この程度の小編成の録音では絶妙な雰囲気を醸し出す。
このコンビは、アビーロードスタジオでも同年にヴィヴァルディを録音しているが
微妙な陰影・雰囲気はこちらに軍配が上がる。

56:58
演奏  A+    録音 94点

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