クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

シベリウス 交響曲第5番 ヴォルメル(2007)

2015.10.25 (Sun)
ヴォルメル全集
ヴォルメル/アデレード交響楽団(2007、ABC)はまさにこのコンビに相応しい。
明るのだけれども繊細でナイーブ。
でも底流に流れる健康的な活力が聴き手を元気にさせてくれる。

第1楽章冒頭の朝もやのかかった夜明けから日が射し込んで広大な景色が展開する。
きりっと背筋が伸びる。
合間に希望だけでなく不安が交錯する様子が弦の複雑な表情で描かれる。
こうした巧みさがヴォルメルの知性。
それも束ねて逞しく乗り越えアレグロに突入。心が救われる素晴らしい展開。
ここからはテンポは急流なのだがその中でも弦の浮沈が入れ込む。

第2楽章は切ない表情を見せる弦を金管の持続音が支える。
これまた単純ではない。

第3楽章は躍動感を持ち進むが、「ラルガメンテ・アッサイ」(充分にたっぷりと)に
入ってからの弦の抑制された美しさ(6分過ぎから)は特筆。
この密やかさから低弦に押し出されるように力感を増し、やがてエナジーの頂点に
上り詰めるその運びのうまさ。力づくで押し切るわけではないが
出発点が繊細なだけに十分な活力が表現出来るのだ。
wonderful-winter-sunrise2.jpg

録音はアデレード・タウンホールでのセッション。
朝もやの綺麗な表出から最後の広大な輝きまでほんのりとした幻想性を伴って
再現する優秀録音。全帯域で伸びもよく誠に清々しい。
この演奏の成功に大きく寄与する音場・録音。

13:34   9:07  9:05   計 31:46
演奏  S    録音 95点

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