クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

シベリウス 交響曲第1番 ヴォルメル(2007)

2015.10.14 (Wed)
ヴォルメル全集
ヴォルメル/アデレード交響楽団(2007、ABC)は表面上は淡泊な表現。
この演奏を聴くとヴォルメルのセンスを感じる。
この曲は交響詩を集めたような趣があるが、指揮者は純粋交響曲として扱っている。
従って、大気のうねりや、押し寄せて返す波など劇画的ではない。
金管や打楽器の突出を抑え流麗さを前面に出す。
幻想的な雰囲気は満点なのだが激しさは後退する。

私の好みには合うが、両端楽章など平板と感じる人もいるだろう。
逆に第2楽章のアンダンテが一番爽やかで受け入れられるかもしれない。
第3楽章はヴァンスカほどではないがスケルツォが滅法速い。
ティンパニの合いの手が抑制されているのはこの指揮者の方針。
トリオは遅く、緩急がつく。
終楽章は打楽器系が奥まり迫力という面では乏しい。

後期交響曲と相性が良くてもこの曲の再現は難しいというべきか。
しかし、ヴォルメルの第2番や「フィンランディア」の分厚い男気を知っているので
この第1番は意外であった。
arvovolmer.jpg
録音はアデレード・タウンホールでのセッション。
優秀な録音の全集だが編成の大きいこの曲ではもう少し明確に録った方が
メリハリが出たと思われる。後期の交響曲では大太鼓やシンバルが
使われないため不足はないが、この曲では伸び感が欲しい。

10:19  8:57  4:48  12:14   計  36:18
演奏  A   録音 92点

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