クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

シベリウス 交響曲第4番 ストゥールゴールズ(2013)

2015.10.04 (Sun)
ストゥールゴールズ全集
ストゥールゴールズ/BBCフィル(2013、CHANDOS)は美しく流れる。
音楽が淀むことなく進行しどこにも違和感を感じさせない。
彼の表情は慎ましいが、意志を持って隆起するところはしっかり。

第1楽章の演奏時間は9分前半と短い。
せかせかした感じはなく風に乗って流れゆく雲を見る風情。
重々しくならず、繊細に音楽を扱うので安心していられる。

第2楽章はメリハリと躍動感がある。

第3楽章も深刻になりすぎず淡々とした表情で流れていくのは最近の傾向。
但し、クレッシェンドでのティンパニの力強いロールなどは
意志を飛ばしていない証拠。

終楽章も表情過多に陥らず基本は淡々と。
持ってまわったところがないのが物足りないくらいだが
あっけなく曲を終わらせて見せる。そこに余韻を残すやり口だ。

なお、この全集ではこの曲の後に
「3つのフラグメント(交響的断片:ティモ・ヴィルタネン校訂)」が収録されている。
交響曲第8番のパーツではないかとされるもの。
たった、2:48の収録で幻の交響曲の一部なのかは判然としない。
しかし、作曲から20年後に作曲者の手によって焼却されたこの交響曲への思いが
一層募るばかりとなる。

ストゥールゴールズ、派手ではないがないがセンスのよい全集を作ってくれた。
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録音はイギリス、サルフォード、メディアシティUKでのセッション。
響きの具合がこの曲にあっておりひんやりと美しい。
低域のそれほど多い曲ではないが弦のしっかりした量感が安定感を醸し出す。

9:19  5:01  10:54  9:26   計 34:40
演奏  A+   録音 94点

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