クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

シベリウス 交響曲第1番 カム(2012)

2015.09.29 (Tue)
カム全集
カム/ラハティ交響楽団(2012、BIS)は高度に普遍的。
優等生的おとなしさでなく、曲が求める優しさ激しさを兼ね備える。
録音も考えればこの盤だけあればよいのではないかと思う。
シベリウスの交響曲の中で個人的には最も聴く機会の少ない曲だが、
一般的に言えばこれに何かを足したり引いたりしなくてよい完成度だろう。

カムはヘルシンキ交響楽団とこの曲を40年前に録れている(1972、DG)。
恐るべきはその時とタイムが同じ。通常は老化で心的テンポが遅くなる
(exバーンスタインは67年盤→90年盤で5分伸びている)が、
そのようなことが全くなくむしろ速めを維持。
そして演奏も録音も含めより立体的になっている。
歌うべきところは歌い、打ち込むところはしっかり。
カムの指揮姿は地味でむしろ職人的な淡々としたもの。
しかし、この演奏内容は十分に熱く、暖かい。
終楽章など鮮烈ですらあり若い時の旧盤を上回る。
このような表現ができるのも自信の表れかもしれない。
(↓オッコ・カム 左:1970年頃 右:2010年頃)
okko_kamu_1972.jpgkamu2011.jpg
録音はラハティのシベリウス・ホールでのセッション。
この全集の第一弾だがダイナミックな曲を安定感をもって捉える。
重要な役割のティンパニもぼけずに硬質な音のまま収録。
シンバルの衝撃、チューバの分離など明解なうえに弦は木質感をキープ。
決してヒステリックにならない。BISの技術、センスに敬服するしかない。

10:35  9:14  5:32  12:42   計 38:03
演奏  A+    録音 96点

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