クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

ニールセン 交響曲第2番 オラモ(2014)

2015.09.21 (Mon)
オラモ26
オラモ/ロイヤル・ストックホルムフィル(2014、BIS)は入念な設計の勝利。
ともすると「4つの単細胞気質」な曲になるが、この指揮者は実に掘り下げてくれる。
こうした演奏の積み重ねがこの作曲家の評価を正当に引き上げてくれるだろう。

私はバーンスタインでこの曲を知ったが、白黒はっきりさせた劇画的な演奏で
非常に分かり易かったが、この演奏は(音楽的?という表現が適切かは疑問だが)
極端な表現はないものの、充実感がある。

第1楽章「胆汁質」は速めのテンポで攻めながらも実にきめ細やかな処理。
再現部でテンポを落とし懐かしいムードを出したり、楽器のアタックを変化させたり、
単純な荒々しさでなく読みが深い。

第2楽章「粘液質」は淡々とした表情で進む。

第3楽章「憂鬱質」はこのオケの地力を見せつける。ここでも速めのテンポながら入念。
ジリジリと感興が高まり鎮まりそして嗚咽。
繊細な神経が揺れ動くさまが誇張なく美しく音楽的に再現されている。
最後の2分、弦の躊躇いの表情のあとオケがトゥッティで紅潮し
そして落ちつこうとする場面など抜群。

第4楽章「多血質」は無邪気な音楽なだけに非常に難しいがオラモは正攻法。
終結手前で馬鹿騒ぎが一瞬止まりアダージョで回想がなされるところに
重要な意味を感じさせる。
最後は人生肯定賛歌。

録音はストックホルム・コンサートホールでのセッション。マストーンで捉えた優秀録音。
どこにも無理のない素晴らしい音響。ホールトーンはたっぷりで暖色傾向があるので、
もう少し鮮明度を高める方が個人的好みだが
どの楽器が飛び出すということもない自然な音。
弦楽器群の温かみと厚みのある音が特に素晴らしい。

8:51  4:21  10:43  7:09   計 31:04
演奏  A+   録音 92点

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