クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

ニールセン 交響曲第2番 シュミット(74)

2015.08.25 (Tue)
シュミット
シュミット/ロンドン交響楽団(74、UNICORN)は男らしく率直にして豪胆。
切れ味が鋭く、でも単調にならず副次的なパーツをうまく拾い上げ響きをぶつける。
洗練されすぎると本来ニールセンが持つ素朴な力強さが薄れるが、
これは理想的な演奏だ。

ともすると劇画的になりがちなこの曲。流石に作曲家オレ・シュミットは念入りだ。
彼は1928年コペンハーゲンに生まれで2010年没した。
最初はレストランでジャズピアニストをやっていたりと風変わりの経歴だが
同郷の先輩作曲家に敬意を表し、最初の交響曲全集を完成させた。
虚飾を排しながらもアラをプラスに変える演奏内容も素晴らしい。
Ole-Schmidt-006.jpg

第1楽章「胆汁質」冒頭から北海の荒海で波がぶつかり合うような猛々しさ。
最速部類のテンポでかつ彫が深い。ロンドン響の荒れ具合が誠によい。
特にブラスの切れ味。シュミットは小細工せずに豪放。

第2楽章「粘液質」も粘らない。しかしながら低弦の動きを明確にして立体的な
音響を作る。バーンスタインがここに持ち込んだ少年のまどろみ物語はない。

第3楽章「憂鬱質」は落ち着いオたテンポでっじっくり筋肉質。
最後の情念の隆起も素晴らしい。決して無機的な演奏ではない。

第4楽章「多血質」は硬軟の取り混ぜが上手い。
ここでも音を割らんばかりのブラスの左右掛け合い面白い。
他の演奏では聞こえないようなパーツに光を当てたりで
道化楽章を改善する。きりりと引き締まった音楽となった。

録音は会場が不明のセッション。
音自体は当時の標準的なレヴェルだが、ステレオ感があり、
音原から適度に近く明晰さを持っているのがありがたく
ニールセンの粗削りともいえる力強を伝える。

9:00  4:03  12:08  6:44   計 31:55
演奏  A+    録音 87点

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