クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

R=コルサコフ シェエラザード アシュケナージ(86)

2015.08.15 (Sat)
シェエラザードアシュケナージ
アシュケナージ/フィルハーモニア管弦楽団(86、DECCA)は予想外。
力演。ロマンティックな硬派。

DECCAはどれだけこの曲の録音が好きなのか?
ステレオ期にアンセルメ、モントゥー、ストコフスキー、メータ、マゼール。
デジタルになってからもデュトワ、本盤、シャイー・・・。
(本盤は「皇帝サルタンの物語」と「くまんばちの飛行」併録が特色)

第1楽章聴き始めておやっと感じた。慌てず騒がず、音を貯めながらも
結構うねるし、木管の表情に細工されていたりで想定外のアシュケナージ。
力こぶが隠されている。

第2楽章では4分過ぎから金管の掛け合いでにわかに盛り上がる場面で
指揮者の掛け声が煩いほど聴こえる。その後も盛り上がると「ウッ!ウッ!」。
熱がこもっている。

第3楽章はそうした熱を少し冷まそうとするかのように速めのテンポ。
ただし、ここでも指揮者の意志は通っている。

終楽章は壮絶。とにかくパンチがある。意志的なティンパニ、弦は鋭角。
アクセントがバシバシ入る。こんな容赦ない指揮をする人だったか?
スピードは速いわけではなく平然と恐ろしさを漂わせる。
全体が難破に向かってアッチェレランドしていく。大太鼓とシンバルが痛い。
白眉は6:36の全休止のあと崩壊に向かう3分間。
パーカッション群がワッセワッセと派手に鳴り響いたあと、
ブラスが豪壮に吹奏し、そしてついに来た爆発的一撃。
マーラーの「悲劇的」のハンマーのようなカタルシス。

録音はウォルサムストウ・タウン・ホールでのセッション。
帯域は欲張らず極めてオーソドックスな管弦楽録音。
ホールトーンはほどほどでむしろクリア・ドライ系。
終楽章ではこの筋肉質な音が効果的。

10:39  12:00  9:50  13:15   計 45:44
演奏  A+    録音 92点

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