クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

R=コルサコフ シェエラザード マゼール(85)

2015.08.09 (Sun)
マゼールBPO
マゼール/ベルリンフィル(85、DG)は全体シンフォニックで細部は演出頻出。
この指揮者の同曲3回目の録音とあるが、1回目は知らない。
8年前のクリーヴランド盤(77年録音)との対比が興味。
結果は、既に70年代の軽快さとは違うマゼール。
恰幅豊かで濃い目に一歩足を突っ込みつつ微細を穿つ。
かといって21世紀に入ってからの変態的濃厚さとも違う。

この時期マゼールは84年にウィーン国立歌劇場ポストを追われ、
カラヤンの後のベルリンフィルのシェフと自他ともに考えていたころ。
あまり無茶もしなかったのか。
しかし、ご承知の通り、89年にアバドに決定し、失意のマゼールは
ベルリン・フィルとは10年間距離を置くことになる。
考えてみると、その後も含めてこのコンビの演奏で面白いと思ったのは
EMIのブルックナーくらいで、その他の印象は薄い。
それは、色々あってマゼール臭をあまり出さなかったからもしれない。
そんなことを思いながら聴いてしまった。

第1楽章は旧盤より1分ほど遅いが、それ以上に立派なスケール感に驚く。
ヴァイオリン・ソロ(コンマス:シュピーラー)の表情、木管の同音型反復時の強弱、
ティンパニのクレッセンドなど入念に仕込まれている。

第2楽章の各ソロの表情も面白い。
持ってまわったヴァイオリンやクラリネットのひと節も独自。

第3楽章もたっぷり感持続でフレーズを豊かに歌う。

終楽章は妙な力みはない大人の演奏。
テンポも大らかで管の速いパッセージで驚かすようなことはない。
全体のヴォリュームで勝負。しかし、ちょっと詰まらない。
マゼールなら旧盤、ベルリンフィルならばカラヤン盤の方が好き。

録音はベルリン・フィルハーモニーでのデジタル・セッション。
旧盤のメイソニックよりも録音もグラマラスで響きの量が増えている。
ただ、クリアーさという意味ではDECCA盤の方が上。

10:30  11:35  10:18  12:50   計 45:13
演奏  A    録音 92点

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