クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

R=コルサコフ シェエラザード ロストロポーヴィッチ(74)

2015.07.26 (Sun)
シェエラザードロストロ
ロストロポーヴィッチ/パリ管弦楽団(74、EMI)はいやらしさ満開。
しつこいくらい濃厚。聴く側は恥じらいを捨てなければならない。
しかしこれは悪意味ではない。曲はアラビアンナイトの絵巻物である。
淡々とやる場合にはオケ・コン的な冴えを見せつけないと退屈になる。
これは物語性を前面に出す行き方。徹底は大事だ。

冒頭から最後まで入念に手が入りほかの演奏と全然違う、という感。
第1楽章の咆哮嗚咽とねっとり感はそのままスクリャービンの
「法悦の詩」と置き換えられる。
第2楽章は当時のパリ管独自の管楽器の音が雰囲気を出す。
とにかくテンポの緩急を超えたタメ・ルバートは随所に見られ
次は何が出てくるのだろうという愉しみがある。
濃厚だからといって一様にテンポが遅いわけではない。
終曲も勢いがあるがここではより怒涛の迫力を持つ演奏がある。
しかし快速で突っ走り7分以降の主題回帰でトロンボーンをたっぷり
引き延ばし吹奏したあとのトロトロ感は面目躍如。
ヴァイオリンのルーベン・ヨルダノフもしっかり指揮者の指示に従いえぐい。
MstislavRostropovich_conductor.jpg
録音はパリ・サルワグラムでのセッション。
この会場のEMI録音は金属と埃の混ざったような独特の癖のある
響きがすると感じるのは私の耳があっていないのかもしれない。
モニターヘッドフォンでの聴取では、ヒス・ゴロ・人工的残響が聴こえて粗が
目立ち過ぎたため、スピーカーに切り替えた。
それを前提とした感想として、響きは適切、少し遠景であるが、寝物語という
設定ならば少し現実的でないこのような浮遊感のある音もいいかもしれない。
つまり感はなく華やぎのある音。
ただし、終曲ではハイ上がり軽い音が独自のムードを出しているとは言え、
真の迫力のためには低域が欲しいところ。

11:20  12:51  10:24  12:47    計 47:22
演奏    濃A+    録音 87点

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