クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

R=コルサコフ シェエラザード オーマンディ(62)

2015.07.22 (Wed)
オーマンディsony
オーマンディ/フィラデルフィア管弦楽団(62、SONY)は
10年後の再録音盤より演奏・録音ともによい。
72年盤に比べ全体の演奏時間が短いのは第3楽章でのカット(2分)が
効いているが、表情やアクセントにハリや推進力があることも要因。

第1楽章「海とシンドバッドの船」の冒頭のブラスを聴いただけでも勢いが違う。
ブルシロウのヴァイオリン・ソロの気高さが際立つ。ヴァイオリンやチェロのソロは
しっかりヴィヴラートがかかるがこの曲ではエキゾチックな雰囲気の表出にプラス。
そして輝かしいブラスの持続音はクレッシェンド付きで絢爛豪華。
いやがおうにも盛り上がる。

第2楽章「カランダール王子の物語」では木管の繊細な表情が切ない。
録音が鮮明でないとそのデリケートなところが出ない。

第3楽章「若き王子と王女」では弦のポルタメントをしっかり効かせるなど
ロマンティックな表情。
先述の通り、この演奏は後半のヴァイオリンの独奏からひとしきりの高揚後(9分頃)、
通常はホルンに導かれ再度テーマが繰り返されるが、そこが40小節ほどカットされ
静かに終結してしまう。私はこのオーマンディの英断に大賛成。
もっとも同様の改変はオーマンディの特許でなく、1937年録音のドラティ盤でも
既に見られる。フェドセーエフ盤は別の場所を削っていたりもする。
申し訳ないがこの曲は繰り返しが多すぎるのでいじりたくなるのだ。

終曲の「バグダットの祭」は勢いがありパーカッションがホールを鳴らして
強打されるのがうれしい。
リズムのノリ・キレ、その後の場面転換の鮮やかさなど素晴らしい。
eugene.jpg

録音はフィラデルフィア・タウンホールでのセッション。
ここはRCA時代のスコティッシュ・ライト・カテドラルと呼び方は変わったが同じ場所。
しかし印象は大きく違う。あらためて72年盤と聴き比べてみた。
確かにホールトーンはそっくり。
ただ、RCAの方がそもそも遠景で、鮮明さ、輪郭、締まり、音のヌケ、低域の量感、
高域の余裕で劣る。62年盤の方が音に力がある。こうしてみると録音陣の責任は大きい。
私の印象ではこのコンビの録音は総じて60年代のコロンビア録音の方が
70年代RCA録音のものより上だ。

10:17  11:41  9:46  12:22   計 44:06
演奏  A+   録音 87点

コメント

ご無沙汰しております。カットの件は同感です。この作品はコントラストが弱いですね。
さきほど拍手ボタンを推したら通算2000回目と表示されました。
リベラ33様
拍手ありがとうございます。
この盤について既に4拍手ということは
同感に感じられている方がいらっしゃるということでしょうか。
オーマンディはサービス精神旺盛でいかに面白く聴かせるかに
気を配っていますね。ホルンやトランペットをトレモロ化するなどの工夫もみられます。

管理者のみに表示

トラックバック