クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

R=コルサコフ シェエラザード カラヤン(67)

2015.07.18 (Sat)
カラヤン
カラヤン/ベルリンフィル(67、DG)はやはりうっとり。
当時のこのコンビの素晴らしさに魅了される。
「綺麗なだけ」と言われたこともあるカラヤンだが、そんな言葉が虚しくなる。
レガート奏法を駆使するも一定のスピード感覚を持っているので流麗であるが
しつこくない。色気はあるのだが、安っぽくない。
カラヤン唯一の録音で、実演で取り上げなかったというのが不思議なくらい。
「展覧会の絵」は実演で何度も取り上げていることとの対比で言うと、
この曲の静かなエンディングが会場での効果にマイナスと判断したのかも。

冒頭の主題提示からオケ全体のバランスがいいが、
0:50に登場する今は亡きミッシェル・シュヴァルベのヴァイオリンの凛とした音に
あっという間に惹きこまれる。
私の耳がおかしいのか、他の演奏と違い第一音が微妙な音で妖しい。
このあと、このヴァイオリンがいかに全体を引き締めることか。

「シェエラザード」という曲ははっきりいって退屈な部分も多いが
ベルリンの名技や楽器のバランス、受け渡し、テンポの変転などに
注意を払っていると時間が経つのがこの演奏だ。
そして珍しくカラヤンの唸りも随所で聞こえる熱演。
アンサンブルが完全に揃っているかというとそうでもないが気にならない。

第3楽章「若き王子と王女」の弦の少し鼻にかかったような艶めかしい
歌い回しなど違反すれすれではないか。

唯一問題があるとすれば終曲。
ここまで速いテンポで来たのに常識的なテンポで安定しすぎている。
若いころはこの祭り、海、難破でガンガン行ってほしいのだが
あまりにも整然としていて物足りなさが残った。
パーカッション群があまり目立たないのも残念。これはマイクが拾って
いないのではなくカラヤンの方針だ。

録音はベルリン・イエスキリスト教会でのセッション。
この場所の落ち着いた黒光りする響きが美しくこの曲の儚さとマッチ。
むき出しではなく少しヴェールが被っているのがシェエラザードの
絹衣を想像させる。
帯域全体に癖がない収録で今でも通用。
フィルハーモニーでの録音よりこちらの方が雰囲気があると思ってしまう。

9:57  12:48  10:39  12:58   計 46:22
演奏  A+    録音 89点

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