クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

モーツァルト ピアノ三重奏曲 全曲 ズスケ・オルベルツ・ブフェンダー(89)

2015.06.25 (Thu)
ズスケ
ズスケ(Vn)・オルベルツ(P)・ブフェンダー(Vc)(89、DeutscheSchallplatten)は
私の刷り込み。
ある時、何の知識もないまま(というか他の曲と間違え)このセットを手にした。
この曲集との初対面だった。
私にとって無名の曲であるがゆえに期待もせずにプレーヤーに置いた。
しかしほんのひと時で旧知の間柄のような感覚になった。
なんと愛らしく素敵な調べなのだろうか。
心の緊張がスルスルとほどけて行くのが分かった。
ピアノの煌めきとヴァイオリンの癒し、そして安定をもたらすチェロ。
驚く様な刺激はなくそこには常にメロディがある。

第1番と言われるK.254は1776年ザルツブルグで作曲されて
おり「ディベルティメント」のタイトルであった。
第2番以降は1786~88年にウィーンで書かれた。
後半の方がチェロの地位が上がるが、
私は第1番から好き。
ともかく、ピアノ三重奏曲とは、なかなかいい構成だ。
弦楽四重奏よりも深刻ではなく一方華やぎがある。
ピアノ四重奏以上の編成よりも軽いので心の負担が少ない。
ガツンと感動を求める音楽ではないが、
休日などにゆったり流すには最高だ。

そしてこの演奏。
気に入ったのはオルベルツのピアノ。
俺が俺がと出しゃばることがない。
揺れる水面に反射する陽光のように潤いと輝きを放つ。
ヴァイオリンも余裕がありほどよく歌う。
これまた慎ましさの美徳を知った音。
旧東ドイツ勢ということでもっと四角四面かと思いきや
端正で柔らかさもある。
今思うとベルリンの壁の崩壊直前の騒然とした時期に
こんな穏やかな音楽を奏でていたのだ。
音楽家として、何ができるのか。そうした思いが伝わる。
キラキラ3
録音はドレスデン・ルカ教会でのセッション。この響きが素晴らしい。
伸びやかなのに奥ゆかしい。
この演奏の成功にはこの録音場所もある。
オンマイク感は薄く清冽な響きが誠に初々しい。

第1番から第6番
18:52  27:03  21:44  18:40  17:17  15:50   計 119:26
演奏  S    録音 93点

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