クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

レスピーギ ローマの祭 マゼール(76)

2015.06.22 (Mon)
マゼール
マゼール/クリーヴランド管弦楽団(76、DECCA)は鬼才久々出没。
クリーヴランドに行って暫くおとなしくなったかと思いきや、ここではマゼール節全開。
各種仕掛け満載で、それでいてオケが滅法巧く録音もいいので極楽クラシック。
このころのマゼールにしては没入した演奏。

マゼールはLP期にこの「祭」と「松」を録り、94年ピッツバーグ響と三部作を
入れている。後者はずいぶんとスリムで淡泊になってしまい、
がっかりしたのを思い出す。録音もこちらの方が上だ。

第1曲「チルチェンセス」は咆哮が凄い。クリーヴランドはこんな豪快音を出すのかと吃驚。
低域のバランスが強いためなぎ倒すような迫力。
トランペットの遠近感、トロンボーン・チューバのびりびり音、最後のオルガンでダメを押す。

第2曲「50年祭」は一転丁寧に心象を盛り込む。
微妙な緩急、強弱をを駆使し感情の交錯が描かれる。
単調さと無縁。こうしたマゼールの棒さばきを聴くとやはりこの人は凄いと思う。

第3曲「10月祭」は前半のカンツォーナのような歌のこぶしというか溜めいかにもだ。
マンドリンも単音+トレモロ奏法の組み合わせなど聴いたことがない。

終曲「主顕祭」は巨大おもちゃ箱ひっ繰り返し状態。
バスドラムが実に効果的に場面を区切る。
全般的にリズムがオケのパーツごとにずれるような場面もあるが、
これは下手ウマなのか、乗りに乗ったのでこのままOKしたのか。
終結はアッチェレかけず崩壊寸前の踊り。

録音はメイソニック・オーディトリウムでのセッション。
アナログ末期、神様ケネス・ウィルキンソンによる録音でいまだにこの曲最高峰。
米国のThe Absolute Sound誌による高音質ディスクTOP12の一枚として伝説的。
低域の量感、締まり、ホールトーン、ブラスのキレ、パーカッションの風圧・・・。
鮮明さではこれを上回る録音がデジタル期に登場しているが
総合的な迫力では一番。
但し、この音を最高の状態で再生するためには相当の装置が必要かもしれない。
Masonic_-_Auditorium_.jpg

4:36  8:05  7:39  5:20   計  25:40
演奏  S   録音 95点

コメント

「ローマの祭り」の魅力を教えてくれた名盤です。
LPも持っていました。
こうした曲は録音が良くてはじめて真価を表すと思います。
「S」評価をくださり嬉しい限りです。

マゼールといえば2012年にN響で「指輪」編曲版を披露して見事でした。
やはり実力者だと思いました。
影の王子様
マゼールの録音を聴くときは少しハラハラします。
あたりはずれがあるから。
これはあたりですね!

管理者のみに表示

トラックバック