クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

ムソルグスキー 展覧会の絵 目次

2015.05.09 (Sat)
ムソルグスキー 展覧会の絵
Mussorgsky.jpg
ムソルグスキー(1839-81)はこの曲をピアノ曲として1874年に完成させた。
友人の建築家兼画家ハルトマンの遺作展に触発された、というのが通説だ。

私はこの曲をラヴェル(1875-1937)の編曲(1922)で知った。
その時は単なる華麗な管弦楽曲という視点で聴いていた。
「キエフの大門」の壮大なクライマックスに目(耳)が眩んだ。

しかし、ピアノ原曲(ウゴルスキ盤)を知って、この曲の捉え方が変化した。
思えば、この曲のモチーフとなった絵は散逸し、原画全てが特定されて
いるわけではなく、単なる「絵の印象の音化」というには疑問があった。
そればかりか他の画家の思想、もしくは自己の民衆・農民への共感や
当時の社会運動に触発されて作曲を進めたという研究まである。
ピアノ原曲版はまさにそうした精神世界を案内してくれた。
曲の見方が変わり、前半部分、たとえば「ビドロ」は牛車が近付き
去っていくだけの音楽ではないことが分かった。
それにつれて管弦楽版の接し方まで少し変化した。

「展覧会の絵」は作曲家や演奏家にとって魅力的な作品なのだろう。
原曲の他に各種編曲や版が出ている。
外面の効果も狙えるし、内奥も目指せる。
いろいろな愉しみ方ができるのが聴き手の特権。
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下記は私の保有盤の目次です。
録音年/演奏者(オケ版は指揮者) (演奏評価・録音評価)
を全くの主観で記載しています。
「演奏」の評価はCDから聴こえてくる音に依っていますので
録音の状態やホールトーンによって左右されています。
S(個人的に特別な愛着)とA+~Bとともに
その演奏から想起される一文字を記載したりもしています。

個々の演奏の詳細はそれぞれにリンクを貼っていますので
そちらを参照ください。

<ラヴェル編曲>
30 / クーセヴィッキー ( 起 ・ 75 )
53 / トスカニーニ ( (A) ・ 76 )
53 / マルケヴィッチ ( (A) ・ 76 )
57 / ライナー ( A+ ・ 88 )
58 / バーンスタイン ( A- ・ 88 )
59 / アンセルメ ( B ・ 87 )
60 / ケーゲル ( 鬱 ・ 86 )
62 / マゼール ( A ・ 88 )
68 / アンチェル ( A+ ・ 87 )
66 / カラヤン ( 粘A ・ 90 )
66 / オーマンディ ( A ・ 88 )
67 / 小澤征爾 ( A ・ 88 )
67 / メータ ( 青A- ・ 87 )
73 / オーマンディ ( A ・ 87 )
75 / ジュリーニ ( 屈A ・ 91 )
76 / フェドセーエフ ( 土A ・ 86 )
80 / ショルティ ( 強A ・ 92 )
81 / アバド ( A+ ・ 90 )
85 / プレヴィン ( A- ・ 88 )
86 / カラヤン ( 華A ・ 91 )
86 / チェリビダッケ ( 宙 ・ 86 )
86 / チェリビダッケ ( s ・ 91 )
87 / インバル ( 変 ・ 88 )
89 / ドホナーニ ( 透A ・ 94 )
89 / スヴェトラノフ ( 攻 ・ 86 )
90 / ジュリーニ ( 骨B+ ・ 89 )
93 / クリヴィヌ ( S ・ 92 )
93 / チェリヴィダッケ ( S ・ 92 )
94? / レヴィン ( B+ ・ 90 )
96 / 大植英二 ( A+ ・ 96 )
99 / ヴァント ( A+ ・ 93 )
2000 / ゲルギエフ ( A ・ 91 )
2001 / クチャル ( S ・ 96 )
2006 / ソヒエフ ( S ・ 95 )
2008 / ヤンソンス ( A ・ 93 )

<その他編曲>
65 / ストコフスキー(ストコ編) ( 挑S ・ 87 )
83 / ロジェストヴィンスキー(ストコ編) ( 露 ・ 87 )
95 / バーメルト(ストコ編) ( A ・ 91 )
95 / ナッセン(ストコ編) ( A+ ・ 92 )
96 / サラステ(フンテク&ゴルチャコフ編) ( 反A ・ 90 )
2004 / セレブリエール(ストコ編) ( A ・ 90 )
2007 / スラットキン(スラットキン編) ( 楽 ・ 93 )
2012 / ブレイナー(ブレイナー編) ( 娯 ・ 91 )

<ピアノ版>
51 / ホロヴィッツ ( 豪 ・ 72 )
58 / リヒテル ( 歴 ・ 70 )
67 / アシュケナージ ( A ・ 87 )
86 / ダグラス ( A- ・ 90 )
91 / ムストネン ( 直A ・ 91 )
91 / アファナシエフ ( 劇 ・ 94 )
91 / ウゴルスキ ( S ・ 93 )
95 / ポゴレリッチ ( A ・ 93 )
2001 / キーシン ( A+ ・ 94 )

<その他版>
71 / ELP(ロック版) ( 抗S ・ 87 )
87 / 松居直美(オルガン版) ( 離 ・ 90 )
93 / ELP(ロック版) ( 整 ・ 88 )
2003 / 岩城宏之(室内楽版) ( 室 ・ 92 )
2013 / ルッツェルンブラス(ブラス版) ( 輝 ・ 93 )

コメント

ご苦労さまです。
この曲の編曲モノとして、サー・ヘンリー・ウッドによる管弦楽版は外せないと思っています。
ラヴェルに先立つ1915年の作業で、ラヴェルがこの版を聴いていたかは定かではありませんが、共通点も多く、非常に興味深い作品です。
未聴でしたら是非。
ヘンリー・ウッドの編曲
Riccardoさん
ご教示ありがとうございます。
ヘンリー・ウッドの編曲はスラトキン盤に
一部収録されていましたが全曲は持っていませんでした。
が、プロムス2010にアップされているのを発見。
早速聴いてみました。
流石に吹奏楽の国、管の活躍する楽しい編曲ですね。
打楽器も多種多様で多彩な音があちこちで鳴ります。
ユーモアのセンスも抜群。
ラヴェルはひょっとしたら影響を受けたのではないか
と思う部分も多々ありました。
深刻ぶらず、プロムス創始者らしく前向きで明るい音楽。
これは楽しい!
ありがとうございました!

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