クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

ムソルグスキー 展覧会の絵 チェリビダッケ(86)

2015.05.08 (Fri)
チェリ1986ベルリン
チェリビダッケ/ミュンヘンフィル(86、ARTISTS)はやはりチェリの宇宙。
チェリが美学発露の場として何度も演奏し、各種盤が出回るこの曲。
「展覧会の絵」の聴き比べ一区切りとして非正規盤ながら
やはりチェリを取り上げてしまう。

これは、1986年9月のベルリン芸術週間でのライブ収録だが
同年10月の人見記念講堂でのライブ盤(ALTUS)と解釈は同じ。
が、ホールの大きさの差が印象を違える。
このテンポと空間がマッチし聴き手をワープさせる。

全体は極めて遅いのだが重いというのではなく独自の浮遊感。
これはチェリのオケの操作が細部に至っていることを窺がわせる。
また弛緩しているわけでもない。「リモージュの市」などは通常のテンポだ。
空気も独自の緊張感を維持する。

そして「カタコンブ」を経て「キエフの大門」での浄化昇天はやはり感動的。
長い旅を終えて一気に開放する。
終結のじりじりした高揚は他のどの演奏も真似できない。
最後に主題を全奏するとき、チェリの「ティッ!!」という叫びが聞こえ
オケが壮絶に音を振り絞る。鳥肌が立つ瞬間。
ミュンヘンも最後まで素晴らしい。聴衆の大歓声も当然だ。

録音はベルリンのフィルハーモニーだろうか?
放送用収録を援用したのか、この手のものとしては優秀なステレオ録音。
弦などが微妙にざらつくことがあるが、音割れはない。
広大な音場で響きが豊か。自然な距離感。

40:34
演奏  宙    録音 86点

コメント

やって中古盤を手に入れました。ブルックナーの7番とのペアでAIDORのものです。
「最後に主題を全奏するとき、チェリの「ティッ!!」という叫びが聞こえオケが壮絶に音を振り絞る。鳥肌が立つ瞬間。」
確かにチェリは、テンポは残響によっても相対的であり早い遅いではない。の発言通り。チェリの策略にはまった宇宙が展開されますね。素晴らしい盤の紹介ありがとうございました。
北の火薬庫様
チェリの宇宙、共感頂けましたか。
チェリの「展覧会の絵」はもはやムソルグスキー
の原曲とは離れたところにあると思いますが
そんなことはどうでもよくなるような
独自の「宇宙」を作り上げてしまっていますね。
中古盤があってよかったです。

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