クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

ムソルグスキー 展覧会の絵 スラットキン(07)

2015.04.08 (Wed)
展覧会の絵スラットキンnaxos
スラットキン/ナッシュヴィル管弦楽団(07、NAXOS)は15人の編曲の寄せ集め。
スラットキンは全く深刻ぶらず面白おかしく演奏している。
この指揮者はこの企画がいたくお気に入りで、編曲混成CDは3枚目
(別にセントルイス響との全曲ラヴェル編の録音もある)。

各曲の編曲者と生年は以下の通り。
1.プロムナード(D.W.オコーアb.1964)木管で始まり、いきなり鉄琴・
 チューブラも鳴る可愛い音楽。

2..小人(S.ゴルチャコフb.1905)は弦楽中心のオドロオドロしさ。サスペンスドラマ風。

3.プロムナード(W.ゲールb.1903)はヴィオラのソロを中心につなぐ。

4.古城(E.ナウモフb/1962)はピアノ協奏曲風。ピアノが主旋律に絡みついてくるが
 物悲しい。久石譲っぽいセンチメンタリズム。これは面白い。全曲を聴いてみたい。

5.プロムナード(G.V.コイレンb.1943)

6.テュイリー(G.V.コイレン編)は管主体のおどけた音楽。

7.ブイドロ(V.アシュケナージb.1937)は原曲通りフォルティッシモを太鼓に叩かせ、
 ラヴェル編へのアンチテーゼを試みる。

8.プロムナード(C.シンプソンb.1955)は弦が弾くが、今更ながらにこの旋律は
 東洋風だと気づく。

9.卵の殻をつけた雛のバレエ(L.カイエb.1891)はちょこまか感が巧く出ていてユーモラス。
 しかしラヴェルは更に巧い。

10.サミュエル・ゴールドベルクとシュミイレ(H.ウッドb.1869)は弦で賢者がのたまうたあと、
 貧者が登場する場面は魔女が天空から下りてくるような。その後も劇画調。

11.プロムナード(L.レオナルドb.1926)は華やいだ雰囲気で
 最後のプロムナードであることを意識させる。

12.リモージュの市場(L.フンテクb.1885)は同じフンテク編曲でもサラステ盤より
 チャラチャラしてるのが面白い。流石アメリカだ。

13.カタコンブ(J.ボイドb.1944)は金管に打楽器を加えて賑やか。

14.死者とともに死者の言葉で(M.ラヴェルb.1875)はおなじみラヴェルで一息。

15.ババヤガ(L.ストコフスキーb.1882)はキレのいいラヴェルに対して重量物が
 迫ってくるようなストコ節。メリハリのある百鬼夜行の世界。

16.キエフの大門(D.ギャムレイb.1924)は主題が出る前に銅鑼とチューブラで
 不思議な世界にワープ。その後厳かにテーマを提示。更に進むと荘厳な合唱が始まる。
 パイプオルガンもソロで登場し役者が出揃う。異教徒のミサに参列するようなムード。
 最後はじっくりゆっくり壮大さを増してドラマティックな終結。
 ラヴェル編曲を更にど派手に。バスドラムの強打を伴い終結。
 これは会場にいたら盛り上がったのではないか。

時代も国籍も違う編曲者の「展覧会の絵」をつなぎ合わせているのだから
まさに「編曲の展覧会やあ」となる。
統一感は望むべくもないが、面白い。アメリカンで楽しい。

録音はナッシュヴィルのローラ・ターナーコンサートホールでのライブ収録。
量感ある低域からスケール感ある音。雰囲気のあるウォームトーンだが
解像度も不可なし。後部に位置する楽器群がやや遠くなるのはライブ故仕方ない。
ただし、客席ノイズは全くなく、クレジットがなければ全く気がつかない。
ゲネプロ主体の録音かも。
Nashville_Symphony_Orchestra1.jpg

31:45
演奏   楽    録音 93点

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