クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

ムソルグスキー 展覧会の絵 サラステ(96)

2015.04.07 (Tue)
展覧会の絵サラステ(←表 裏→)サラステ裏
サラステ/トロント交響楽団(96、FINLANDIA)はアナーキー。
フンテク編曲とゴルチャコフ編曲を作曲家でもある指揮者が自由に選択。

レオ・フンテク(1885~1965)はスロヴェニア出身・フィンランドで活躍した指揮者、
ピアニスト、教育者。1922年ラヴェルより僅かに早く全曲の編曲を完成させた。
セルゲイ・ゴルチャコフ(1905~76)はモスクワ音楽院で作曲の教鞭をとっていた人で
1950年に編曲をした。二人とも原曲志向なので、プロムナードは5つまで入っている。
全体的な音楽の特色はラヴェルはカラフルだったということを実感させるし、
管弦楽法もこちらの方がシンプルだ。

サラステ曰く「二人の編曲は共に原曲の持つスラヴ性の再現に留意したもので、
この共通認識こそが私が両者を合体させて混成曲を編みあげようとした
理由です」とのこと。確かに混成ではあるが、聴いているとどちらによる
編曲なのかはわからない。その意味での違和感はない。

ただし、ロシアンテイストではない。
むしろアヴァンギャルドで先鋭的な音楽に聴こえる。
どうも、フンテクとゴルチャコフの編曲を利用したサラステの作品という感じ。
音を短めに切りスパスパ進む。時に打楽器群が殴りこむ。
ラヴェル版のムードよりもやさぐれ、反抗的。
このCDジャケットがこの演奏の方向性をいみじくも示している。
「バーバヤガ」はロックだ。「キエフの大門」は怒っている。
保守層にはうけないだろうな。
でも時にはこんな演奏もいい。挑戦はいつも大事だ。

録音はトロントのロイ・トムソンホールでのセッション。
残響は多くなくスッキリとした細身の音。量感がもう少し欲しくなる。

32:59
演奏    反A   録音 90点

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