クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

ムソルグスキー 展覧会の絵 ソヒエフ(06)

2015.04.06 (Mon)
ソヒエフ
ソヒエフ/トゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団(06、naïve)は出色。
繊細で多彩で華麗。

このコンビの「展覧会の絵」を2月27日来日公演(サントリー・ホール)で聴き、
期待を大きく上回る演奏だったためこのCDを発注した。
CDは今から10年近く前の演奏だが既に完成されていたことを実感。
ダイナミクスの幅が極めて広く迫力があるとともに入念な仕掛けが満載で
飽きさせない。ロシア系の指揮者とフランスのオケだからこの曲にぴったり、
という域を超える。

77年生まれのソヒエフは録音時29歳。同世代にドゥダメル、ペトレンコ、セガン、
ネルソンス、ハーディングなどがいるがこの指揮者には注目したい、と感じた。
また、このトゥールーズのオケはパリのオケよりも上ではないか
と思わせる充実ぶりだ。

録音はトゥールーズのアール・オ・グランでのセッション。
もともと穀物倉庫だった六角形の会場だが、
この録音を聴く限り聴衆なしなしの場合はよい音響特性。
残響は適度で自然な再現を中心に奥行き、艶、明晰さのバランスがよい。
製作陣のセンスの良さを感じる優秀録音。
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「プロムナード」の金管の軽さと歌がいきなり素敵。
この一瞬でこの演奏の期待が高まる。
たかだか1分半のこの出だしだが、とても大事。
「小人」の入念さが凄い。ゆっくりしたテンポで木管、弦の
ゾクゾクするような表情に驚く。
「古城」のサックスはフィリップ・ルコックという人だが
これまた非常に艶めかしい。抑えたような表情が意味深い。
「チュイルリーの庭」の芳香はオケのもの。
「ビドロ」以降もテンポは普遍的だが楽曲の性格を際立たせる。
濃厚すぎるぎりぎり。
「カタコンブ」のバランスも完璧。
「バーバヤガ」は速めのテンポで仕掛ける。
が、決して勢いだけで乗り越えないところがこの指揮者の頭脳を感じる。
「キエフの大門」のフォルテはロシアやドイツのオケのような重量感はない。
また、前半は打楽器を強打せずに他の楽器とのバランスをとる。
丁寧な作りで弦の動きなど手に取るように分かる。
2:40秒から鐘が叩かれクレッシェンドしていく場面の煌びやかさはなんだ!
華やかさを全開にして高揚していく。
そして同郷の先輩ゲルギエフ同様、バスドラムの2発のズラシを敢行
(今年の実演もやっていた)。
明るい、眩しい終結。2月の感動を彷彿と蘇えらせる。
今後の期待も込めてS。

33:32
演奏  S    録音 95点

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