クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

ムソルグスキー 展覧会の絵 ゲルギエフ(00)

2015.04.04 (Sat)
ゲルギエフVPO
ゲルギエフ/ウィーンフィル(00、Philips)は面白い。キャラが変転する。
指揮者の体臭とオケの個性が混じることなく各パーツで入れ替わる。
但し、後半はゲルギエフが制圧する。

同じコンビがウィーンのシェーンブルン宮殿でバレエとセットで
屋外演奏する映像を見たことがある。この曲がバレエにぴったり
ということを発見させられる映像だったが、演奏はバレエを意識して
この盤ほど濃厚な表情付けはなかった。
但し、この盤とてハチャトゥリアンがこのオケと録音した「ガイーヌ」のような
バーバリズムの徹底はない(というか目指していない)。

録音はムジークフェライン大ホールでのライブ録音。
響くホールでマス中心の距離のある音。ゲルギエフの求めた筋肉質で
野蛮な音が、豊かなホールトーンでマイルドになってしまったか。

「プロムナード」は柔らかいしがりだが
「小人」ではゲルギエフの抉りの効いた積極的な表情が始動。
「古城」は美しい。これは夢見るようなウィーンの音。
その後も野卑はあまりなくウィーンの豊かな音が支配。
「殻をつけた雛」は猛烈なスピードだ。
「サミュエレ」あたりから濃厚さを増す。
貧者のトランペットの表情は強弱を繰り返し、弦がゴリゴリ攻める。
「リモージュの市」の強引なンまでのスピード感はゲルギエフ。
「カタコンブ」はこの会場の音響の良さを感じさせる深い吹奏。
ロシアの旧世代では無慈悲な強奏が行われていた部分だが
ゲルギエフはそうはしない。
「バーバヤガ」から戦闘開始。勢いを持ったマッシブな音響が轟く。
フォルテが終わっても騒然としている。
叩きつけるような打楽器。ブラスの音は鋭角。
「キエフの大門」も前のめりに攻め続ける。ウィーンも強音を出し続ける。
指揮者にのせられている感じで、ライブ感興が湧く。
例のバスドラ2発はしっかりズラシ効果を採用。
一気呵成に終結。拍手が入っていないがこれは盛大な喝采があっただろう。

32:05
演奏 A     録音 91点

コメント


管理者のみに表示

トラックバック