クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

ムソルグスキー 展覧会の絵 ジュリーニ(75)

2015.03.19 (Thu)
ジュリーニCSO
ジュリーニ/シカゴ交響楽団(75、DG)は暗くじっとり重い。
シカゴの首席客演指揮者にとしての第一弾がこの録音。
61歳のこの時すでにジュリーニの芸風は確立している、
というか全盛期だったのではないか。
このコンビのマーラーの第9番なども日本で大評判。
日本では暗い表現が精神的な深みを示すとして高く評価する傾向があった。
しかし全体的に粘り腰の重い表現で、今から振り返ると好き嫌いをわける
演奏ではないだろうか。彼は南東イタリアのバルレッタ生まれであるが、
北イタリア・ドイツ語圏の山村ボルツァーノで多感な時期を過ごしている。
陽気なイタリアンと分類することはできない何か屈折したものを感じる。

録音はメディナ・テンプルでのセッション。マス的で空間が広くゆったり感。
アナログながら終結のバスドラムも破綻していない。
いまでの立派に通用する優秀録音。

「プロムナード」は綺麗にゆっくり。会場の広さを感じる響き。
「小人」はもっさり。シカゴ響からイメージされる切れ味はない。
「古城」のサックスは伸びやかに歌うが、
その他の楽器は音を落として寂しげ。しみじみ感。
「チュイルリーの庭」も繊細にか弱く歌う。
「ビドロ」は心理描写の感が強い。堅めのマレットを持たせた
ティンパニの力強い打音と低弦のギシギシ刻みが印象的。
「カタコンブ」の吹奏のバランスは流石シカゴ。
力任せでないが底から湧くような音。
「バーバ・ヤガ」以降はホールトーンも活かし巨大な演奏。
ティンパニとバスドラムが左右に分かれシカと叩かれ、
金管・弦がバランスよく鳴り響く。
「キエフの大門」もスカッと爽やかというより、モワモワ盛り上がる。
相応の迫力はあるのだが、全てを開放しきった音とも違う。
聴いた後に不条理感が漂うジュリーニ・ワールドだ。

34:39
演奏  屈A    録音 91点

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