クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

ムソルグスキー 展覧会の絵 大植英二(96)

2015.03.02 (Mon)
大植英二
大植英二/ミネソタ管弦楽団(96、REFERENCE RECORDINGS)は
録音+演奏で最上級。
表情は繊細で控えめ。もう少し外面的に積極的に出てもいいのではないか、
と思うのだが一歩手前で抑制する。何か日本人の美学すら感じる。
なお、この盤は他にドヴュッシー、シューマン、シャブリエなどの曲を
ラヴェルが編曲した珍しい曲が併録。大植の意志を感じる。

録音はミネアポリスのオーケストラホールでのセッション。
リファレンス・レコーディングのHDCD録音は、響きのよいホールの最上席で
聴くのと同じような素晴らしさ。この曲の演奏会的録音として最優秀だろう。
フワッとしたホール会場での「空気感」を持ちながら、蕩けるような繊細さと、
果てしないDレンジを持つ。細部はマルチながら、リアルな遠近感を再現。
自然な再現を目指しているので個々の強調感はない。
よってティンパニが目の前ということはなく、全体がマイルドに溶け合う上質感の
ある音。フィリップスのコンセルトヘボウ録音を更にクリアにした感じ。
ミネアポリス

演奏はとにかく丁寧で上品。基本はシルキータッチで誇張も演出もない。
客観的で冷たいのでなく秘めて慎ましい。泣き叫んだりしないので、
こちらからすり寄らないとこの演奏の魅力は分からないかもしれない。
しかし、よく聞くと実に入念な表情が見て取れる。
「バーバヤガ」ではシンフォニックにホール全体が鳴動するが荒々しくない。
弦が胴に弓を打ちつける音が生々しい。
「キエフの大門」は淀みない進行で絶叫しないのだがスケール感が巨大。
鐘の音が遠近法で打たれ、また、チェリヴィダッケがはやらせた?スリリングな
バスドラムのずらし(4:23~、158,161小節)も見事にやってのけている
(現在来日中のソヒエフ/トゥールーズ・キャピトル管も敢行していた)。
壮麗な終結に熱狂はしないがいい音楽をきいたという満足感に浸れる。

31:56
演奏  A+    録音 96点

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