クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

ムソルグスキー 展覧会の絵 ケーゲル(60)

2015.02.26 (Thu)
ケーゲル
ケーゲル/ライプチッヒ放送交響楽団(60、Deutsche Shallplatten)は鋭利かつ躁鬱。
表情の落差が大きいが全般の色調は暗くクール。終結は悲劇的。
ケーゲルらしい個性的な音楽だが、聴いた後は何ともやりきれない。

録音会場は不明のセッション録音。私の持っているケーゲルBOX15枚組では
レコーディング1960年、著作物発行年(最初の発売)のⓅマークは1968年とあるので、
一応60年録音としておく。澄んだ音で相応の空間の広がりを感じるが鮮明。
但し、「キエフの大門」の最強音ではテープの限界でひずむ場面がある。

「プロムナード」のトランペットのはき捨てるような吹き方は相当特徴的。
ドイツ的テンペラメントが滲む。それも東独のもの。音を短く切り厳しさと寂しさ。
「古城」は寒気がするような音楽。ラテン系の楽器であるはずのサックスが
登場するに及んでも冷気が漂う。ここではテヌートが多用されケーゲルが
一筋縄でいかないことを知る。
「チュイルリーの庭」は愛らしい表情をみせ表情が濃厚。
「ビドロ」は重い。圧迫感のある表現。強く引きずるような音はパイプオルガンを
隠し味に使っているのでは(かすかにストップの操作音が聴こえるような)。
「バーバヤーガ」「キエフの大門」では大向うを唸らせる小細工はない。
打楽器は固く短く、金管は暴力的な荒さ。それが当時の東欧だ。
決して晴れやかにならないフィナーレ。
ラヴェル的な感覚美はなく、圧政に民衆の呻きでもなく、
強権発動の挙句の悲愴な叫び。

31:53
演奏  鬱    録音 86点

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