クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

ムソルグスキー 展覧会の絵 アバド(81)

2015.02.07 (Sat)
アバドLSO
アバド/ロンドン交響楽団(81、DG)は斬り込み隊長。ハードボイルド。
この時期のアバドは勢いがよく、何か息堰切ったようなところがあるが
この演奏もそうだ。また、アバドはムソルグスキーがお好みで
「ボリス」「はげ山の一夜(原典版)」ほか頻繁に取り上げる。
幸薄いムソルグスキーへの傾注はなぜなのか。

演奏はこのコンビ特有のソリッドに引き締まったもの。
一瞬もだれること、流すことなく緊張感が漂う。
ラヴェルの管弦楽法の華やかさよりも、ムソルグスキーの原曲が
内包する抑圧されたもののストレス、いらいらを感じる。
ベルリンフィル着任早々の再録音よりアバドのやりたいことが
そのまま素直に反映しているのではないか。

「こびと」からすでに切れ味が鋭い。その後もほの暗さが続き「ヴィドロ」は苦役だ。
「アミュエル・・・」も陰湿。「リモージュの市場」は超快速で保有盤最速レヴェル。
「ババ・ヤーガの小屋」でも追い立てる。
「キエフの大門」は録音のバランスもあるがブラスセクションが突出し凄いエナジー。
しかし明るいハッピーエンドでない。
聴き終わり、このころのアバドの思い切りの良さを懐かしく思う。

録音はキングスウェイホールでのセッション。スリムで鮮明な音。
低域は多くないがフレッシュな音には満足。
Dレンジはほどほどなのだろうが伸びはよい。残響は多くない。

32:48
演奏  A+    録音 90点

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