クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

ラヴェル ラ・ヴァルス コンドラシン(67)

2015.02.02 (Mon)
コンドラシン
コンドラシン/モスクワ・フィル(67、Altus)は迫真。
この演奏は67年の来日時の演奏会のアンコール。
しかし、およそアンコールの気楽さとはかけ離れた真実の音がする。
これほどこの曲が内蔵する悲愴を
浮き彫りにした演奏はなかったのではないか。
メインプログラムはロシア本場ものだがアンコールはマーラーやら
フランスものだったり。コンドラシンのモダニズムを感じる。
そして驚くのはモスクワフィルの柔軟性。
最初の優美はフランスのそれ、終結の厳しさはソ連。

録音は東京文化会館での来日時のライブ。NHKによる収録。
予想外の生々しい音。ヒスは目立たないようリマスタリングされているが
鮮明な音。また、量感は少ないが低域も引き締まり筋肉質。
マイクセッティングの制約の中でこれだけの音がとれていれば不満はない。
もちろん音響は東京文化会館のそれだ。
tokyo1967.jpg

演奏冒頭は意外なほど柔らか。
当時のレニングラードでは絶対出せないのではないか。
「ワルツ」に入ると速めのテンポの中結構緩急が付けられる。
三拍子がひきつってはいる。
しかし強奏でも金管はロシア臭を出さないのがこのコンビ。
再現部「栄光と崩壊」は凄い。
ぐいぐい音を追い込む。ティンパニ・大太鼓の強打が鞭のように入る。
この曲の内包する絶望感がつかの間の喜びをかき消し怒涛の終結へ。
拍手が入るが多分聴衆はあっけにとられたのではないか。
アンコールでこんな壮絶な演奏を聴かされるとは
夢想だにしなかったはずだ。

11:52
演奏  悲    録音 85点

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