クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

J・アダムス ショート・ライド・イン・ア・ファスト・マシン  ラトル(93)

2015.01.01 (Thu)
アダムスラトル
ラトル/バーミンガム市交響楽団(93、EMI)は流石ラトル。
「Short Ride in a Fast Machine」は日本語に訳しようがないが
「高速機械にちょっと乗ってみたら」というぐらいか。
ジョン・アダムズ曰く「高性能なスポーツカーに乗らないかと誘われて乗ったけど、
恐ろしいスピードでやっぱりやめておけばよかったと思う気持ち、わかるだろ?」
とのことらしい。
高速機械はスポーツカーのことで、容赦ない強迫体験を音楽にしたものだ。
確かにこの曲の持つスピード感は尋常ではない。
しかし、恐ろしさというよりは眩いばかりの圧倒的輝かしさ。
そもそも、この曲はピッツバーグ野外森林祭のオープニングとして
委嘱されたのだから晴れやかなはずだ。
しかし、多分委嘱者の想定の100倍も強烈な曲が出来上がってしまった。
Short Ride in a Fast Machineiイメージ
(画像:ヴァイオリニストTimothy Judd氏のWEBよりイメージ)

開始を告げるウッドブロックは「サディスティックに」(作曲者)叩きつける。
ミニマルをベースにしながら木管・金管・弦・パーカッション群が重層的にリズム参加、
1:07からはバスドラムがドカンドカンと大砲を打ち最初の頂点を形成。
1:48からはチューバががバリバリ乱入し重量感がいやがうえにも増大。
二度目の頂点が2:40から立ち上がり、
猛烈なスピードの中3:00からは巨大な構造物が見え始めてくる。
オケがマッシブなエナジーを放出する中、
眩しいトランペットと重低音のトロンボーンでファンファーレ。
否が応でも聴き手のヴォルテージは上がるなか、ジャン。

ニューイヤーコンサートやプロムスやら祝祭的なコンサートの冒頭に来る曲だ。
といっても、複合リズムが難しく実演では易々と演奏が成功しないのも事実。
そしてこのラトル盤は流石の出来。ライブでなくセッションでしっかり作った。
演奏は間然することがない。テンポは4分半を切り、パンチもある。
思わず呟いてしまう、このころのラトルは良かった。

録音はバーミンガム・シンフォニーホール。
バスドラの威力など低域の量感ではデ・ワールトのノンサッチ初録音盤に負けるが、
全体はEMIとしては頑張っている。Dレンジ・分解能は一応クリアし混濁はない。
直接音は捉えている。

なお、この盤の併録はハルモニーレーレ、チェアマン・ダンス、トロンバ・ロンターナと
アダムスの人気曲が勢ぞろい。選曲のセンスも流石ラトル。

Short Ride in a Fast Machine 
4:24
演奏  A+    録音 91点

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