クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

モーツアルト 交響曲第29番 スウィトナー(60)

2014.12.22 (Mon)
スウィトナー29
スウィトナー/ドレスデンシュターツカペレ(60、.DS)はまどろみ夢心地。
たっぷり音場にゆったり音楽。
べとつかない音づくりなので目覚めの音楽にいいかもしれない。

スウィトナーというとドレスデンで活躍していたので東独の指揮者のようだが、
生まれはオーストリアのインスブルック、ドイツ人とイタリア人を両親もつという
から結構多面性を持った指揮者だ。母国のモーツァルトは得意で、
交響曲も多数録音していたが大半は70年代でこれはかなり早い時期の録音。
最初はドイツ・シャルプラッテン公社のエテルナレーベルでモノラルLPとして、
アイネ・クライネやノットルナというセレナーデ集の中に入っていた。
演奏もあたかもそうした一環のよう。
というのはテンポが遅く後年の交響曲の演奏方針とは違うから。

録音はドレスデンのルカ教会。極めて長い残響はいかにも教会。
広い音場でアナログのSN比をカバーしている。
ヴェールをかぶった音で何か非現実的。

第1楽章が始まるとそのテンポの遅さに驚く。スウィトナーのモーツァルトは
どちらかというと早目のテンポだったはずだ。これは例外的なテンポ。
というより60年当時はこうしたテンポ感だったのか。
ただし、力まない進行はここでも同じ。綺麗な弦が、ヴィブラートを抑え目に
優しく進む。ホルンの持続音が空間に大きく響く。強奏は回避する。

第2楽章は弱音器をつけた弦のささやきに導かれ空間に吸い込まれていくよう。

第3楽章も変わらない。リズムはゆったり横方向に刻まれる。

終楽章も突然驚く様な溌剌となることはない。爽やかな風がそよぐ。
ここでもホルンの活躍が注目だ。
この当時38歳の指揮者は極めて落ち着いた音楽を作っていた。
彼のモーツァルトは後年純度を高め引き締まる。

8:42  7:20  3:56  5:40   計 25:38
演奏  夢   録音 86点

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