クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

ビゼー アルルの女 レーグナー(74)

2014.12.03 (Wed)
レーグナー
レーグナー/ベルリン放送交響楽団(74、DS)は憂いを持った美演。
華やかさのないモノクロームな雰囲気なのだがレーグナーのロマンティックな
感性が光る。抑制の中の歌がとても愛おしい。

録音はベルリン放送局SRKホールでのセッション。教会より響きは少ないが
美しくむき出しではない音。それぞれの楽器は明快に分離しながらも
響きが溶けあいを促す。低域は薄いが気にならない。
シャルプラッテンはセンスがいい。

第1組曲「前奏曲」が始まるとほの暗いブルー系の音がとびこんでくる。
アクセントは明解だが同じ東ドイツ系のケーゲルのとげとげしさはない。
しかし、全体を包むこの光の少ない世界は独特。
それはサクソフォンの音色も同じ。
「メヌエット」も物悲しいが決して音が重くない。各楽器はクリアに聴きとれる。
「アダージェット」も含みのあるヴェールをかぶった音がいい。
「カリオン」は大袈裟にならずさらりと行くレーグナーの抑制が大人。
しかし中間部に見られる歌心は素敵。主旋律だけでなくサブパートも
時に浮かび上がらせ音楽を多面化させる。

第2組曲「牧歌」も太陽のもとではなく森の中。
「間奏曲」はひときわ暗さを増す。テンポは格別遅いわけではないし、
重いわけではない。不思議な感覚。
「メヌエット」のフルートはハスキーな感じで響く。
独特なのは後半のフルートとサクソフォンの絡み。
サックスがかなり積極的に絡む。こうしたバランスが何か屈折。
「ファランドール」も明るさの開放ではない。
全体が慎ましさを残したままひきつる様な進行。
タンバリンが悲愴な音でナイーブな悲しさをひきつれて終結。

第1組曲 6:50  3:17  2:48  4:09
第2組曲  5:13  4:58  3:46  3:42 
計  34:43
演奏   憂A+    録音  89点

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