クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

ビゼー 交響曲第1番 クリヴィヌ(92)

2014.10.17 (Fri)
クリヴィヌ
クリヴィヌ/国立リヨン管弦楽団(92、DENON)はこれほど繊細な演奏はない。
全体は音を鎮めて堪えたような雰囲気。表に出て自己を主張することがない。
こちらから行かなければ門を開かない。しかし心を開くと心にしっとり深い。
この曲の再現として代表的な演奏とするには躊躇われるが、
独自の世界を見せてくれる演奏。
Emmanuel-Krivine.jpg

録音はリヨンのオーディトリュム・モーリス・ラヴェルでのセッション。
フワッとした音響の中に軽めのオケが鳴る。透明感ある音で心地よい。

第1楽章は軽く繊細。大きな音や勢いではなく柔らかなタッチ。
それでいて弦はべとつかず古典的清潔感。
第二主題を歌うオーボエも出しゃばることなく全体の中で光る。
何か壊れそうなものをそっと扱うデリケートさ。これはなかなかない。

第2楽章もセンスがよい。オーボエは押しつけがましくなく密やか。
その後に続く音楽も抑制の中の美。
深い呼吸はフォーレの「レクイエム」を思い出させる。

第3楽章は前楽章と対比して溌剌として始まる。
しかしトリオの田園風景の沁み入ること。ノスタルジーで締めつけられる。

終楽章も決して慌てず騒がず。軽やかで弦が丁寧に刻む。
音を潜めて疾走させる技が凄い。なんという感覚美。
派手な興奮とは一切無縁。日本食の繊細さとはまた違う、
高級フレンチの洗練された奥深い華を味わう。これは参った。

10:38  10:07  5:50  9:19   計  35:54
演奏  繊S    録音 92点

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