クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

ビゼー 交響曲第1番 P.ヤルヴィ(09)

2014.09.11 (Thu)
ヤルヴィ交響曲
P.ヤルヴィ/パリ管弦楽団(09、Virgin)は躍動的サブリミナル的名演。
P.ヤルヴィがライブで見せる燃焼と
パリ管の少し乾いたそしてセピア色の音に惹きこまれる。
スマートに洗練された演奏ではないかもしれないが、
青春時代の疼く様な熱を感じさせる。
しかしそれだけではない。
随所に盛り込まれたヤルヴィの仕掛け満載。
それがバーンスタインのようにはっきり分からず
潜在意識に働きかけるように組み込まれる。
だから、もし時間が許せば集中してヘッドフォンで聴いた方が楽しめる。
パリ管の音楽監督就任決定後第1弾の録音の意欲が伝わる。

録音はパリ管の本拠地サル・プレイエルでのライブ。大変力のある音。
デット気味ではあるが近接したマイクで分離が保たれる。低域も強く入る。
なお、このCDは直後に同じホールでセッション録音した「ローマ」を収録している。
こちらの方は聴衆がいないので響きが多い。
期せずして聴衆の吸音効果が分かるCDだ。

第1楽章冒頭の一瞬でこの演奏の覇気が感じられる。
これほど躍動感ある進行は聴いたことがない。速めのテンポばかりでない。
リズムが前傾し弾んでいる。オケはギュッと集中した音を出している。
提示部反復をしながらも全くだれることがなく最後まで一気に持っていく。

第2楽章はパリ管のオーボエが堪能できる。(前楽章の第二主題も良かった)。
また続く弦の切々と歌うノスタルジックな音。終結は胸が締め詰められる。

第3楽章は弦の素朴な音が面白い。巧まずして民族色に染まる。
民謡というのはどこでも同じ雰囲気を持つ。
グリーグにもこんなような節があった。

終楽章も勢いがあるがちょっとしたフレーズもおろそかにしないで
ヤルヴィが表情をつけに行っている。
へたをするとめちゃくちゃシンプルな勢いだけの音楽なのだが
実に繊細な作業が行われている。やはりこの指揮者、ただものでない。
最後の2分間は自然にスピードを上げガナッていないのに高揚させる。
弦の音などもっと流麗な演奏はあるがこの愛らしいクルクルする表情に参る。

9:45  9:26  5:54  8:49   計 33:54
演奏  S   録音 91点

コメント

最近、クラシックのレコーディングというのは低迷しているようですが、そんな中でP・ヤルヴィは実に精力的に録音を重ねていますね。やはり、現代における巨匠の一人なのかも知れません。
さて、このビゼー/交響曲第1番、ビゼーらしい良い曲ですね。メロディ・メーカーらしい佳曲です。ところで、我々が知っている作曲家というのは、モーツァルトだけでなく、皆、天才で神童ですね。ビゼーも素晴らしい曲が沢山あって、よくもこんなメロディが書けるものだと思います。だから、現代においても、沢山の人に聴かれるのでしょうね。本当に、有難いです。
クレモナさん
モーツァルトやメンデルスゾーンの天才は有名ですが、
このビゼーもそうですね。
ビゼーの他の交響曲は破棄されてしまいましたが
この曲だけでも残ったのは幸運でした。
17歳の天才だから書けた曲かもしれないですね。

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