クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

メンデルスゾーン 交響曲第3番 ノリントン(89)

2014.08.31 (Sun)
メンデルノリントン34
ノリントン/ロンドン・クラシカル・プレイヤーズ(89、EMI)は
古楽器を用いた先兵。
ロマン派に漬かった曲だと思われているが意外にも古楽により
この曲の素朴で逞しい表情が明らかに。
また、ノリントンの弾む指揮がこの曲に独特とのアクセントをもたらした。
ファイの刺激的演奏を聴いた後では今はこのような表現は驚かないが、
古楽器演奏の代表演奏であることは変わりない。
ザクザクっとした音に慣れると実に魅力的。

録音はアビーロード第1スタジオでのセッション。
小さな編成ではこのスタジオは良い。
響きすぎず透明感をもったまま温もりのある音。
ぎらぎら鮮烈でない。スケールは大きくないが、全奏は力づよい。

第1楽章冒頭から古楽器特有の音色と抑揚が
うらぶれた古城の印象とよく合う。テンポは通常。
主題の提示部も内省的で内に秘めた雰囲気を出す。
木管の音色が愛らしい。
弦は左右で掛け合うとともに時にポルタメントするのは驚き。
提示部のリピートを終えると展開部ではにわかに動感を増す。
「フィンガルの洞窟」ではないが波が打ち付けるような独特の脈動。
そして終結部はドラムが強打し激しく追い込む。
現代オケにはない音色。
そして冒頭が回帰される時の侘しさはなかなか。

第2楽章はこの楽章がスコットランド民謡・舞曲であると認識する。
素朴でドカドカ踊る。古楽器の朴訥さが活かされる。

第3楽章は長閑なアダージョになぜか不気味な鼓動を挿入させる。
確かにスコアには唐突に癒しだけでは済まない音が
含まれていると改めて気づく。
この曲に含まれる激しいドラマ、古城に潜む血塗られた歴史を彷彿。

終楽章は筋骨隆々。金管の図太い音がパワーをみなぎらせる。
ここでもノリントンの独自のリズム感が音楽を活かす。
全般を通してテンポは普通なのだがイキイキ感はこの指揮者に起因。
最後は輝かしい。ハッピーエンド。

15:16  4:37  8:19  9:10   計 37:22
演奏  古A+   録音 91点

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