クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

ブルックナー 交響曲第9番 ヴァント(79)

2014.05.15 (Thu)
ブルックナー9ヴァントケルン
ヴァント/ケルン放送交響楽団(79、RCA)は鋼の音で率直。
ヴァントの数種類あるこの曲の中でも筋肉質で好きな演奏。
ベルリンフィルのような上から目線の音ではない。

録音はシュトルベルガー・シュトラーセ・シュトゥディオ、ケルンでのセッション。
もとはハルモニア・ムンディのアナログ録音をデジタルリマスターしている。
聖堂で録音して残響を多くしてしまうとヴァントの音楽と合わなくなるがこれは違う。
デットとまで言わないが適度な響き。引き締まった音で厳しさを湛える。
底力を出すために輪郭がぼけない程度にBASSを補強してもよい。

第1楽章はありのままの音をありのまま出す。
ロマン的な膨らみを持たせるわけでなくクールな感触。男性的だが無神経ではない。
硬派だが無機質ではない。表向きの表情を変えず歯を食いしばって終結する。

第2楽章も虚仮脅しのない音。

第3楽章は冒頭から逞しい。彼岸の枯れた音ではない。
この楽章に意味を持たせることを期待すると肩透かし。
後年の演奏が26分前後なのだがこれは23分台。骨太なのだがスッキリした進行。
低弦をしっかり鳴らすので浮つかない。
意地張った頑固おやじの音塊で、ブラスの強奏はほとんどぶっきらぼう。
贅肉を削ぎ落しひたすら核心に切り込む。
「巨匠」になる前のこのヴァントのひたむきな音楽は荒いが胸を打つ。

24:00   10:26  23:40  計 58:06
演奏  A+   録音 90点

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