クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

吉松隆 交響曲第4番 藤岡(2001)

2014.05.10 (Sat)
吉松隆第4番
藤岡/BBCフィル(2001、Chandos)はキュンと清冽綺麗。
マーラーの第4番に「雅」を加える。儚く切ない。感傷的にすぎるくらい。
たまにはこの曲と一時を過ごすのもよい。癒される。
演奏と録音はこの曲の完璧な再現を果たしている。

録音はマンチェスターのニューブロードキャスティングハウス第7スタジオ。
ラルフ・カズンズが録音に参加しておりシャンドスらしい響きが加わり
この曲に合致した空間を提供。むき出しではなく夢見る音に仕上がる。

ここでも作曲者兼文筆家が解説をしている。
『第1楽章:アレグロ。さまざまなビート(リズム)とモード(旋法)の間を
      走り回る〈鳥〉の思考によるアレグロ楽章。少年時代の夢の中で、
      機会仕掛けの鳥、木彫りの操り人形、すましたお姫さまの人形、
      ブリキの兵隊たちとネズミたちなどなど、様々な玩具が春の田園を
      夢見ながら飛び回る。
 第2楽章:ワルツ。歪んだワルツがひたすら堆積してゆくリズムの万華鏡と
      してのスケルツォ楽章。
      後半では過去のさまざまな交響曲作曲家たち(ベルリオーズ、
      ブルックナー、ショスタコーヴィチ、マーラー、ベートーヴェンetc)
      のワルツが乱舞しつつ織り込まれてゆく。
 第3楽章:アダージェット。ノスタルジックなメロディと甘いハーモニーによる
      後期ロマン派風の緩徐楽章。中間部とコーダには、遠い春の記憶が
      ふと頭をよぎるように、ピアノによるオルゴールのメロディが走り抜ける。
 第4楽章:アレグロ・モルト。春を讚えてひたすら明るく軽やかに走り抜ける
      ロンド風フィナーレ。鳥たちのパッセージと、幸せに満ちて春の野を
      スキップするようなリズムとが艶やかな饗宴を繰り広げ、
      最後は夢の向こうに消えてゆく。』
 
この時代このような夢見る曲を書けるのは素晴らしい。
勇気を持っていえば、一般人の多くは武満徹の作品群よりもこの曲を愛するのでは。

9:16  5:07  8:15  5:55   計 28:33
演奏  S  録音 94点

コメント

吉松の交響曲
こんにちは。
新譜に合わせてでしょうか。安曇野さんが吉松を取り上げられているのを見て、大喜びでコメントさせていただいております。
今回の6番、単独で聴くと録音も含め素晴らしいものですが、4番が先にあるので、ずっと聴いてきたファンとしては辛い評になってしまうのは仕方がないですよね。
私の中の吉松の最高傑作は、いまだに2番の交響曲と朱鷺だったりします。3番とサイバーバード、ペガサス(山下盤)などのテンションにも惹かれます。
これらの安曇野さんの評も楽しみにしています。
garjyu 様こんばんは。
シベリウスや北欧音楽が好きな私にとって
吉松の音楽にも共鳴します。
だから期待が大きくなるのですね。

ご推薦の「朱鷺」を聴き返していたら
ラウタヴァーラの「カントゥス・アークティクス」
(鳥とオーケストラのための協奏曲)Op.61(1971)
も聴きたくなり、引っ張り出したところです。

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